カット野菜の安全性や栄養はどうなのか(2、栄養素について)

2013/04/15

料理雑学

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こんにちは!今日は前回の続きの、栄養素についてです。

前回の記事ではカット野菜は水洗→殺菌→水洗という手順と取られているという事を紹介しました。

ここで皆さん思われると思います。「そんなに洗ったら、栄養素どんどん流れちゃうんじゃ・・・。」


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カット野菜の栄養素

それではカット野菜の栄養素について考えていきましょう。 カット野菜に含まれる栄養素は、主に三種類あります。 栄養素毎に考えていきましょう。

各種ビタミン

まず、ビタミンは水溶性ビタミンと、脂溶性ビタミンに大別できます。
水溶性ビタミン………ビタミンC、ビタミンB群(B1,B2,B6,B12,ナイアシン、葉酸、パントテン酸)
脂溶性ビタミン………ビタミンA、ビタミンD、ビタミンK、ビタミンE

水溶性ビタミンとは読んで字の通り、水に溶けやすいビタミンことで、 逆に脂溶性ビタミンは油に溶けやすいビタミンです。

水溶性ビタミンが水に溶けやすいということは、 水洗いによりビタミンが水に溶出し、なくなっていく可能性が高いということです。 また、カット野菜は細かくカットされ断面が多く、さらに溶出しやすい状態となっています。 つまりカット野菜では水溶性ビタミンの多くが失われている可能性が考えられます。

脂溶性ビタミンもいくらか溶出するかもしれませんが、水溶性ビタミンほどではないと考えられます。

ちなみに脂溶性ビタミンは緑黄色野菜に多く含まれています。

ですが、カット野菜のメインはキャベツ等の淡色野菜ですので元々多くは含まれていません。不足しがちな水溶性ビタミンが失われているのは残念ですね。

各種ミネラル

各種ミネラルは緑黄色野菜に多く含まれます。 上にも書きましたがカット野菜では淡色野菜のほうが多いためもともとミネラルが少なく、 さらに水洗による溶出も考えられるため、ミネラル源としての意義はやや弱いかもしれません。

食物繊維

食物繊維は、野菜の中で一番重要な栄養素ではないでしょうか。

食物繊維の効果は、便秘予防の他に、糖尿病や肥満予防などといった、重要な機能があります。 つまり、現代人の大敵である生活習慣病を予防する力を持っているわけです。

水に溶け出てしまう水溶性ビタミンと違い、食物繊維は水で溶けません。

水に溶け込む水溶性食物繊維というものもありますが、カット野菜に関しては水に溶けない不溶性食物繊維が主なので問題ないでしょう。

食物繊維は、生活習慣病予防に力を発揮しますが、不足しがちなものです。 ですから、その不足しがちな食物繊維が残っていると考えると、カット野菜も悪くないかもしれません


さて、以上の事をまとめると、カット野菜はビタミンやミネラルなどの多くが失われている可能性があります。 ですが、全てが失われているわけではなく、食物繊維なども含まれているので”食べないよりは良い”と考えられます。

当然のことですが、自ら調理することができ、生の野菜をそのまま調理して食べられるならそれに越したことはありません。

しかし現実的には、野菜を調理するスキルや器具が無い、仕事で忙しく、野菜を調理する時間も惜しい。 もしくは外食続きで家に帰らないなど、野菜を摂れない状況というのはよくあります。

そんな時に、野菜を食べないよりは、栄養価が落ちてるとはいえカット野菜を食べたほうがまだ良いと思います。

ちなみに、最近は野菜の処理方法も進化しており、栄養価の損失を抑えた処理も出てきているようです。 将来的には、今よりもっと良いカット野菜ができているかもしれません。 野菜の調理は意外と手間なので、カット野菜が発展して便利になると良いですね。


前の記事(カット野菜の安全性や栄養はどうなのか(1、安全性について))

自己紹介


とっぽ
高校で調理師科を卒業し、調理師免許を取得。管理栄養士学科を卒業し、管理栄養士免許・栄養教諭一種免許を取得しました。現在は都内某所の施設に勤務しています!どうぞよろしくお願い致します。

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