大根おろしの辛味の抜き方(検証と結果)

2019/03/20

料理雑学

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大根画像

こんにちは!今日は記事は大根おろしの辛味の抜き方についてです。大根おろしの辛味は、薬味として良いものですが、苦手な方も多いでしょう。

また、子供は辛いのが苦手で食べてくれないことも多いと思います。ということで大根おろしの辛味の取り方について、検証を交えながら書いていきます。


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大根の辛味成分

まず最初に基礎知識として大根の辛味成分について。大根の辛味成分は、アリルイソチオシアネートと言い、わさび等にも含まれている成分です。

このアリルイソチオシアネートは、元々大根には含まれておらず、前駆体と呼ばれる元となる成分に、別の場所にあるミロシナーゼという酵素が反応し生成されます。

そのため、切った直後の大根は辛味が弱めで、すりおろしてから数分した時が一番辛くなります

このアリルイソチオシアネートの前駆体は、大根の根の先端に多く含まれ、葉元のほうが少ないです。また、アリルイソチオシアネートは、揮発性であり、置いておくと辛味が抜けていきます

大根おろしの辛味の抜き方

では本題に入ります。大根おろしの辛味の抜き方は色々あるのですが、試した結果と感想を書いていきます。

繊維にそって丁寧におろすことで辛味を抑える。

最初の方法は、繊維にそって丁寧におろすことで、細胞を壊さず辛味成分をなるべく出さないようにするというもの。辛くしたいときは、繊維を断ち切るように力を込めてすりおろすと良いと言われるので、その逆ですね。

大根すりおろし画像1大根すりおろし画像2

繊維にそっておろしたものと、繊維を断ち切るようにおろしたものを準備し、試食してみます。

結果:どちらも辛い

そんな気はしていましたが、どちらもかなり辛かったです!もっと丁寧に、荒いおろし器などを使えばうまくいくのかもしれませんが、大根おろしを作るのに時間をかけるのもアレなので、あまり有効ではないと思います。失敗すると辛いし。

空気にさらし置いておくことで、辛味成分を飛ばす

上記にも書いたように、辛味成分は揮発性なので、おいておくと辛味が抜けるはず。ということで、試してみました。

大根おろし画像3

小皿に少量の大根おろしを広げ、一定時間ごとに食べてみます。

すりおろし5分後:辛さピーク。滅茶苦茶辛い。
すりおろし10分後:少しマシになった気もするけど気のせいかもしれない。まだまだ辛い。
すりおろし20分後:10分後に比べ、辛味が少なくなったと思える。しかしまだ辛い。
すりおろし40分後:辛味がかなり抜けており、苦手な人でも食べられるレベルかも。
すりおろし1時間後:辛味はほとんど抜けて、大根臭さだけが残る。

試した感じとしては、やはり時間が立つ毎に辛味は抜けていきます。実際に行うとしたら、軽く絞って皿に広げ、冷蔵庫にラップをせず置いておく、などの形になるでしょうか。

ラップをしてても飛ぶかな?ちょっと検証してないのでわかりません。2~3時間もおいておけば、かなりの辛味成分が飛んでいくのではないでしょうか。おいておくだけで特に手間も無いので、良い方法かもしれません。

電子レンジで数十秒温める

加熱により辛味成分が飛んでいきます。電子レンジでなくても、鍋で軽く煮ても飛びます。

大根おろし画像4

結果:辛く無くなった

辛味成分はほとんど飛んでおり、むしろ加熱により甘みすら感じます。

しかし加熱されているので、風味等が少し変わっているかも?実際に使う場合は、チンしたあと冷蔵庫などで冷ますか、時間が無ければ水にさらして冷やし、絞って使うといった感じでしょうか。

小さい子供向け良い気がします。加熱野菜になって辛味成分も完全にゼロ、でも雰囲気は味わえます。

葉元の部分を使う

上記にあるように、葉元部分のほうが辛味成分が少ないので、辛くない大根おろしにしたいときは葉元が使えます。

結果:試した大根では、葉元はほとんど辛くなかった。

葉元も辛い大根もあるかもしれませんが、自分が試した一本では、先端はとても辛かったのですが葉元はほとんど辛くありませんでした。

中間部分もおろして食べてみましたが、先端部に比べるとかなりまろやかでした。

水に晒す

よくよく考えてみたらもうひとつ有効そうなのがありました。ということで追記。アリルイソチオシアネートは、水に溶けにくいようですがどうでしょうか・・・。ということで検証。

たっぷりの水が入ったボウルに大根おろしをさらし数分置いて、ザルにクッキングペーパーを被せてこします。

結果:辛く無くなった

最初、絞った大根おろしに水を少量加えてもう一度絞る、というのを数回繰り返してみましたが、辛いままでした。

たくさんの水で行ったほうが良さそうな気がします。大根によっては一回では辛いかもしれませんが、数回行えばかなり辛味も抜けるのでは・・・。

まとめ

結論としては、まず辛く無い大根おろしが良ければ葉元を使うこと。モノによっては、これだけで辛くない大根おろしになります。

それでも辛かった場合、または余ってしまって先端部を使わなければならない時には、空気にさらしたり、水にさらしたり、もしくは電子レンジでチンするのが良いと思います。。

味についてはどれもおろした直後の大根に比べ、大根の味というか風味が損なわれます。風味は残して辛味は抜くというのはなかなか・・・。

栄養価的にもどれもおろした直後より悪くなっていますが、空気にさらすのが一番栄養素が残っていそうです。

大根には消化酵素が含まれますが(消化を助けると言われる所以)、加熱により効果を失ってしまいますし、ビタミンCなども加熱により壊れます。水にさらす手法では、水溶性の栄養素のほとんどが流れ出していると思います。

まあ緑黄色野菜と違って、栄養が特別ある野菜というわけでもないので、栄養が流れ出てても別にいいかな。

ちなみに酢や醤油を混ぜるなどの情報もあり試してみました。確かに少しまろやかになりましたが、味が変わるのはどうかなーと思うので、栄養価を失いたくない時に挑戦してみる感じでしょうか。


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記事をお読み頂き、ありがとうございました。

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とっぽ
高校で調理師科を卒業し、調理師免許を取得。管理栄養士学科を卒業し、管理栄養士免許・栄養教諭一種免許を取得しました。現在は都内某所の施設に勤務しています!どうぞよろしくお願い致します。

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