こんにちは!今日は酒に関連する更新で、適正飲酒の量についてです。
アルコールは、肝硬変や脳梗塞、脂質異常症など、様々な病気と関連があるのは周知の事実だと思います。 アルコールと疾患の関係については研究も盛んで、飲めば飲むほどリスクが上がるものから、 少量であればむしろリスクを下げる疾患もあります。※厚生労働省e-ヘルスネット飲酒とJカーブ
これらの疫学研究から、どれぐらいの飲酒量で死亡率が低くなるのかを厚生労働省が検討し発表しています。 それが適正飲酒の量です。
適正飲酒の量は?
適正飲酒の量は、一日平均純アルコールで20g程度と定義しています。
※サッポロビール株式会社より
20gとは、大体、「ビール中ビン1本」 「日本酒1合」 「チュウハイ(7%) 350ml缶1本」 「ウィスキーダブル1杯(60ml)」程度に相当します。
アルコール度数がわかれば、計算する事もできます。
酒の量(mL) × アルコール濃度(度数/100) × アルコールの比重(0.8) = 純アルコール量 (g) となります。
例えば、ビール中ビン一本(度数5%)を飲んだ場合、 500mL × 0.05 × 0.8 = 20g となります。
これに加え、日本酒2合(度数15%)を飲んだ場合、 180mL×2 × 0.15 × 0.8 = 43g となります。
一日にビール中ビン一本と日本酒2合を飲むと、あわせて63gのアルコールを摂取することになります。 たまに行う飲み会ならともかく、毎日の晩酌でここまで飲んでると、適正飲酒を守っている人に比べ、 死亡のリスクは高まることでしょう。
週1回の飲み会など、一日単位でない場合の飲酒量については厚生労働省のページには記載はありません。 単純に考えて、7日に一回なら、20g×7日で一日にアルコール量にして140g。 日本酒でいえば7合、チュウハイなら350ml缶7本分、ビール中ジョッキ7杯程度。 飲み会の席でお酒が好きなら、これぐらい飲んでいる人も多いかもしれません。
ただし、一度に多く飲むと代謝が遅れ、有害な成分が長く身体に留まることになるので 健康の事を考えれば、一度に飲む際はやや控えめにするのが妥当だと思います。
月一回ぐらいの間隔であれば、泥酔状態にでもならない限りほとんど気にすることは無いと思いますが・・・。
適正飲酒の注意点
アルコールの代謝というのは年齢差、性別差、個人差などもあることから、全ての人に20gという数字が当てはまるわけではありません。
厚生労働省では、上記の適正飲酒に加え、以下のような注意を付け加えています。
1,女性・高齢者は少なめに飲む
中年男性に比べ、女性や高齢者はアルコール代謝能力が低い事が多いため、適正飲酒量より少なめが推奨されます。
2,フラッシング反応を起こす人も少なめに
フラッシング反応を起こす人は、アルコールの分解が遅く、消化器や臓器への影響も強いと考えられます。 そのため、適正飲酒量よりも少なめに飲むことが推奨されます。
3,たまに飲んでも大酒しない
飲む回数が少なくとも、一時に大量に飲むと、臓器を痛めたり、事故の危険性を増やしたり、依存を進行させたりします。
4,食事と一緒にゆっくりと
空腹時に一気に飲むと、アルコールの血中濃度が急速に上がり、悪酔いしたり、場合によっては急性アルコール中毒を引き起こします。
5,寝酒は極力控える
寝酒は眠りを浅くし、睡眠の質を悪くします。眠れなくても、アルコールの力を借りるのは推奨されません。
6,週に2日は休肝日
毎晩晩酌をするような人は、週に2日は何も飲まない、休肝日を設定しましょう。肝臓を休め、また依存も予防できます。
7,薬の服用中は飲まない
アルコールは薬の効果を強めたり弱めたりします。また、精神安定剤と一緒に飲むと、互いの依存を早めることが知られています。
8,入浴・運動・仕事前は飲まない
飲酒後に入浴や運動をすると、不整脈や血圧の変動を起こすことがあり危険です。またアルコールは運動機能や判断力を低下させます。
9,妊娠・授乳中は飲まない
妊娠中の飲酒は胎児の発達を阻害し、胎児性アルコール症候群を引き起こすことがあります。またアルコールは母乳中に入るため、乳児にアルコールを飲ませる事になります。
10,依存症者は断酒
依存症が現れた場合には、コントロールを試みるのではなく、一切飲まないようにします。依存症では、飲酒のコントロールがしにくいことが特徴で、断酒が最も有効とされています。
11,定期的に検診を
アルコールを常飲している人は、定期的に肝機能検査などを受けて、肝臓にダメージがないかチェックしましょう。 また、フラッシング反応の現れる飲酒者は、定期的な食道や大腸がん検診が推奨されます。
この他に、個人的に考える注意点として、習慣的な飲酒がある人はおつまみに注意です。 例えば、毎日の晩酌のおつまみに揚げ物を選んでいるようであれば、肥満や脂質異常症の可能性が考えられます。 炭水化物をよくセットで摂取する人では、糖尿病などのリスクを上げているかもしれません。
夕食との組み合わせや、日々摂取している事を考え、食事内容が偏っていないか考える必要があると思います。