こんにちは!今日の更新は、鶏むね肉を柔らかくする方法についての検証と結果です。
鶏むね肉は他の部位に比べ、圧倒的に安く、低脂質高タンパクの優れた食品です。 しかし脂身が少なく、また水分も抜けやすいためパサパサになりやすいのが難点。
そこで鶏むね肉を柔らかくする方法を調べ、本当に柔らかくなるのか、 どの方法が一番やわらかいのかを検証してみようと思います。
鶏むね肉はどうしてパサパサになってしまうのか
安価で栄養価に優れた鶏むね肉ですが、パサパサになりやすいという欠点があります。 なぜそのような事になってしまうのかというと、もも肉等に比べ筋肉の膜が薄く、水分が逃げやすい構造をしているためです。
そのため、ちょっと加熱しすぎるとみるみる水分が抜けて、パッサパサの鶏肉になってしまいます。
逆に言えば、水分を逃がさないように調理することによって、食感を維持することができます。 つまり鶏むね肉をおいしく食べるには、水分を逃さないような下処理が必要不可欠です。
鶏むね肉を柔らかくする方法にはどのようなものがあるか
まずは、「鶏むね肉 柔らか」というワードで調べてみます。 その結果。
1,片栗粉や小麦粉をまぶす
2,フォークで刺し塩と砂糖を溶かした水溶液に漬ける
3,肉の両面を包丁の峰で格子状に叩く
等が挙がりました。 他にもありましたが、今回は手頃な感じで上記のものを試してみたいと思います。
1は、水分を逃さない工夫としては王道です。 周りをコーティングした片栗粉や小麦粉により、水分やうま味を閉じ込めると言われています。
2と3は、ためしてガッテンのネタ。 フォークで穴を開けることにより、塩と砂糖の水溶液を染み込ませ、さらに塩と砂糖が水分を保持してくれるとかなんとか。
本当ならばかなり効果が期待できそうです。 また、3は水分にはあまり関与しないかもしれませんが、繊維を叩いておくことで柔らかくなるというよくある下処理です。
検証方法
まず今回の検証は、鶏むね肉を5パターン、ついでに鶏もも肉でも試してみました。
1,鶏むね肉をそのまま2,小麦粉をまぶす
3,フォークで刺し塩と砂糖を溶かした水溶液に漬ける
4,肉の両面を包丁の峰で格子状に叩く
5,観音開きにして加熱時間を短くする
6,鶏もも肉をそのまま
焼き方はそれぞれの下処理を試した後、 油小さじ1を敷いたフライパンで加熱し、焼き色がついたらひっくり返して弱火で蒸し焼きにします。 加熱時間は統一しかほうが良いかと思いましたが、その後食べる事を考えて中心温度75℃に達するまで加熱することにしました。
中心温度計で、一番厚い部位が75℃に達するまで加熱を続けます。 本当は75℃に達した後1分間加熱を続けるとか言われるのですが、今回はまあいいや!
評価方法は、水分量が食感に影響するだろうという予測の上、鶏むね肉の重量を測定してみます。 調理前に、鶏むね肉に付着している水分をクッキングペーパーでぬぐい、重量を測定。 調理後に、付着している水分をクッキングペーパーでぬぐい重量を測定してみます。
脂身があると誤差が出そうなので、脂身は取り除いておきます。 これで、水分がどれぐらい抜けたか評価できる・・・はず。
測定後は、もちろん試食し食感を食べ比べてみます。
では次に結果へ。
結果
1,鶏むね肉そのまま
・重量 (焼く前と焼いた後)
143g→107g 重量は元の75%に減少。
・食べた感想
一切れ食べてみる分には、「お?思ってたよりパサついてないかも・・」という感じだったんですが、まるまる食べてると噛みごたえがあるため顎が疲れる感じに。
思ってたよりパサついてないだけで、やっぱりパサついてます。 箸で触った時の感触がカチカチで、食べる前から「ああ、こりゃ固そうだ」というのがわかりました。
咀嚼が減った現代人にはちょうどいいかも・・・?
2,小麦粉をまぶす
・重量 (焼く前と焼いた後)
124g→95g 重量は元の77%に減少。
・食べた感想
食べた感じでは、身自体はそんなに変わらないかも?
そのまま焼いたものに比べ、やや柔らかい口当たりといった感じです。
鶏肉の厚さがだいぶ違うのに、同時に焼いてしまったため、小麦粉をまぶしたほうは焼き過ぎの状態だったのかも。
しかし、その状態でも柔らかく感じるということはやはり効果はあると言えるのかもしれません。
また食べた際に、鶏肉のまわりの衣に付着した水分が口の中で合わさり、しっとりして食べやすく感じました。 当たり前かもしれませんが鶏むね肉そのままよりおいしかったです。
3,フォークで刺し塩と砂糖を溶かした水溶液に漬ける
・重量 (そのまま→水溶液を揉み込んだ後→焼いた後)
105g→109g→75g 重量は元の71%に減少。
・食べた感想
食べた感じでは、確かに柔らかい感じもする。 小麦粉をまぶした物と同じぐらいかな?
とはいえ、目隠しをされてランダムに試食させられたら食感で分けられるかは微妙なところです。
明らか!というほどでは無い感じでした。
また、塩で身が引き締まったのか、弾力(プリプリした感じ)がある気がする。 あと重量に対し1%の塩なので結構しっかり下味がついています。 そのまま食べてもおいしい。
4,肉の両面を包丁の峰で格子状に叩く
・重量 (焼く前と焼いた後)
156g→119g 重量は元の76%に減少
・食べた感想
結構厚めな部位を使ったからか、表面を叩いただけでは中心の方には効果が無かったようで、
あまり変化が無いように感じました。
鶏肉を薄めに切って叩けばもっと効果を実感できたかもしれません。
5,薄く開いて(観音開き)加熱時間を短くする
・重量
265g→184g 元の重量の69%に減少
・食べた感想
加熱時間を短くすれば水分が抜けないのでは?とも思いましたが一番水分が減っているようでした。
他の鶏肉より焼き時間は5分程度短くなっていますが、それでも焼き過ぎだったのかもしれません。
今回の例では、開いている分焼き過ぎるとすぐに身全体から水分が出るため、大きく重量が減ったのではないかと思います。
6,鶏もも肉そのまま(皮取り忘れ)
・重量
282g→222g 重量は元の79%に減少
・食べた感想
やはり鶏もも肉は、出る水分量も少ないのか、食べた食感もみずみずしい感じがします。
柔らかくて非常に食べやすいです。
肉部分だけ食べてみると、若干パサついた感じもしたので、 脂がついている事も食感に大きな影響がある気がします。
考察
さて、色々試した感想ですが、 柔らかさの順位としては、 小麦粉をまぶして焼く>>塩砂糖液揉み込み>叩く>薄く開く=そのままといった感じです。
テレビでも取り上げられた、塩砂糖の水溶液を揉み込む方法がそこまで実感できなかったのが残念です。 やり方が間違っていたのかなあ。でも重量を量ってみると、他の方法より水分減っているようでした。 食感についてはやや柔らかかった気がしますが、目隠しをされどちらが水溶液を揉み込んだほうかと言われると、 当てられないかもしれません。
予想では鶏肉の内側に塩や砂糖が入り込み、そこで水分を保持してくれるのかと思いましたが、そういうわけではないようです。 むしろ、魚に塩振って余分な水分を出すように、表面に塩や砂糖が付着することで、 浸透圧が高くなり他の方法より水分が出やすい状況にあったのかも。
もしくは、揉み込む時間が短かったとか?うーん、どうでしょう。
あと重量に対して1%の塩分というのはかなり多く、鶏肉一枚あたり3gほど。 主菜一皿3gぐらいの塩分である事が多いので、普通に味付けをすると倍の塩分を摂取する事になります。
頻繁に実践するなら、塩の濃度はもうちょっと減らしたいところ。
今回試した中で一番やわらかいと感じたのは、小麦粉をまぶして焼いたものでした。 周りについている衣の影響もあるかもしれませんが、他の調理法に比べ水分が残っているように感じました。
下処理はどれか一つ、というわけではないので、塩砂糖溶液を揉み込み、叩いて小麦粉をまぶせば一番やわらかいかもしれません。
反省としては、試した鶏肉に厚さの違いがあったため、統一するべきでした。 さすがに何枚も食べるのは厳しいと思って、一枚を半分にして検証したのがいまいちだった・・・。 まるまる1枚を使って検証すれば、違う結果が得られるかもしれません。
今回検証した中では、「これだ!」と自信を持って言えるものはありませんでした。 小麦粉をつけて焼きすぎに気をつければちょっとやわらかいかも、というぐらい。 ということで、引き続き色々試し、良い方法が見つかったら追記しようと思います。
11月19日に追加検証行いました。
こちらはうまくいったので、よろしければどうぞ!
→鶏むね肉を柔らかくする方法(追加検証の結果)
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