こんにちは。今日の記事はコラーゲンについてです。
コラーゲンといえば、肌のつや、張りを良くするというイメージですが、実際はどうなのでしょう。
世間でも賛否両論で、一体何がなんやら。
なるべく中立的な立場で、両方の意見を考えながら書いていこうと思います。 結構難しい話ですし、長文ですが興味があったらどうぞ!
コラーゲンに否定的な意見について
コラーゲンに否定的な意見の多くは、生化学の基本的なものに基づいているものです。
コラーゲンというのは、皆さんご存知の通りたんぱく質からできています。
たんぱく質は体内に入ると、消化され、アミノ酸やペプチドにまで分解されます。
この分解されたアミノ酸やペプチドは、体内の色々な場所に使えるので、それがコラーゲンに再合成されるとは限らないため、意味がないだろうと言われています。
もしそのまま再合成されるなら、髪の毛を食べれば髪の毛が生えてくることになります。 そうなら一部の方に喜ばしい情報です。
コラーゲンに肯定的な意見について
コラーゲンに肯定的な意見の中で、最近主流なのは、コラーゲンの中に含まれるヒドロキシプロリンというアミノ酸が、コラーゲン生成促進に働くというものなようです。
コラーゲンを食べることにより、ヒドロキシプロリンが血中に流れ、それがコラーゲン生成を促すとのこと。 これが本当なら、たしかに効果がありそうです。
結局効果はあるのか?
さて、上記を踏まえて色々調べてみました。私が出した結論を先に述べますと、 コラーゲン摂取による美肌効果等は、科学的根拠に欠けており効果があるとは言いがたい(無いとも言い切れない) と言った感じです。以下に根拠を述べます。
コラーゲンに肯定的な意見の主流(と思われる)ヒドロキシプロリンですが、これの情報元等を調べてみましたが、これがいまいち信用に欠けるようです。
この話はネット上では色々なところで言われていますが、大本は京都新聞の記事なようです。
wikipediaにも書かれており、コラーゲンの消化、吸収の項目で、「ヒドロキシプロリンは線維芽細胞(皮膚のコラーゲンを作る)に取り込まれない」、との否定的な一文のあとに 「コラーゲンの摂取でヒドロキシプロリンの血中濃度が上がること、ヒドロキシプロリンが線維芽細胞を刺激し再生を促進させるという」、一見矛盾したような文が続いています。
この後の文が、京都新聞の記事の内容です。 新聞なんて、情報元としては下の下ですが、さらに閲覧切れ・・・。
調べてみると、参考になりそうなブログを発見しました。
こちらによると京都新聞の記事が元にした研究論文の内容が以下の通りです。
・コラーゲンの摂取により、血液中のヒドロキシプロリンの濃度が一時的に上昇する
・ヒドロキシプロリンをマウスの培養皮膚細胞につけた傷に添加するとコラーゲンを作る細胞である線維芽細胞が傷口に集まる
たしかに京都府立大の出した論文で合っているようで、上記の通りに書かれています。
つまり、
元の論文では、コラーゲンの摂取で血液中のヒドロキシプロリンの濃度が上がるということと、
傷にコラーゲンを添加すると、線維芽細胞を刺激し再生を促進させるということを言っているだけであって、
美肌効果については全く触れておらず、関係もないものです。
調べた限りでは京都新聞のミスリードであり、ヒドロキシプロリンの件は科学的根拠としてはまだまだ研究が足りないかな、と言う感じです。
ちなみに、調べている途中、質問サイトなどで学会発表が科学的根拠として紹介されることがありました。
注意してほしいのですが、学会発表は根拠になりません。
専門雑誌に掲載された論文でないとダメです。
学会発表というのは、字の通り通り学会員の人が発表しただけです。 研究方法や結果解釈が間違っていてもそのままです。
これに対し論文は、研究方法や結果解釈などの審査が行われます。詳しくはこちらのサイトがわかりやすいと思います。
結論
さて、色々書きましたが、コラーゲンの美肌効果に科学的根拠が無い、とは言いましたが、効かないと言っているわけではないのです。
芸能人や親しい人の体験談などを信用して、コラーゲンを食べることは特に問題ないし、それで効果が出れば良いことだと思います。
ただ、サプリメントの錠剤等となると、アレルギーの問題等も出やすくなる可能性が考えられますので、気軽に試すなら食品中からの摂取がいいかなあと思います。