こんにちは! 今日の記事は、つい先日テレビで放送されたサバ缶ダイエットについてです。
テレビ放送によると、鯖に多く含まれるEPAが、 ダイエット効果のあるGLP-1というホルモンの分泌を促すというもの。
ホルモン関連の話は非常に難しいので書きにくいのですが、 時事ネタということで調べつつ書いていこうと思います。
EPAとGLP-1について
EPAとはなんぞやEPAとはエイコサペンタエン酸のことで、青魚に多く含まれる脂肪酸です。
またこのEPAは生理活性が強く、身体に様々な影響を与えています。
他にも「中性脂肪が気になる方の食品」として、 EPAを有効成分とする特定保健用食品もあります。
今までもその生理活性に注目され、様々な研究がされていたEPAですが、 今回のテレビ放送ではGLP-1の分泌を促すということでした。
GLP-1とはなんぞや
GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)とは、小腸から分泌されるホルモンで、インクレチンとも言われます。 主な作用は、インスリン分泌促進、食欲抑制作用等があります。
インスリン(血糖を下げるホルモン)分泌促進=血糖を下げる効果を持つため、 糖尿病患者への薬への転用も期待されているホルモンです。
さて、テレビ放送中では、コイツが痩せるホルモンと紹介されていたわけですが・・・。うーん・・・非常に難しい話です。
まず、インスリン分泌促進効果についてですが、 インスリンは血糖を下げる時に、糖をグリコーゲンや中性脂肪に合成し血糖を下げます。
なのでインスリン分泌促進効果を持つからと言って、ダイエット効果があるとは言い切れません。 高血糖の改善効果はあると思いますが。
食欲抑制効果は、ダイエットには良い要因の一つではありますが、まあ野菜とか食べても 満腹中枢を刺激し食欲抑制効果を得られるので、その程度かなあ。
テレビ中では、サバ缶を多く食べている地域の人の肥満率が少ない、 などと言いつつ血液検査なんかもしていました。
しかし、他の因子を除去できていないため、研究の中では価値の低いものです。
こういったものを横断研究と言いますが、もしこの話が通用するなら、 「肥満率の低い日本人の主食は米である。よって米には肥満改善効果がある」 などと日本人が食べているもの全てに結びつけて話ができます。
サバ缶と肥満の関係を調べたいのなら、適当な対象者を選び、 その中で無作為にサバ缶を食べるグループ、それ以外を食べるグループを分け、 追跡し結果を見るような方法が必要です。
結論
ホルモン関連の話は非常に複雑で、どう作用しているかよくわからないものなので、 ダイエット効果がないとは言い切れません。
とはいえ、毎日サバ缶を食べるだけで痩せられるかというと・・・うーん。
バナナや納豆やらトマトやら、今までにも散々テレビ発で流行りましたが、 そういった食品たちの仲間かなー。
それだけで痩せるような劇的な効果は無いと思います。
もちろん普段肉類ばかりを食べていた人が主菜をサバ缶に変え、 結果的に摂取エネルギーも下がり、痩せるといったことは考えられますが・・・。
まあでも、サバ自体悪い食品ではないし、近年魚の摂取量が減っている事も考えると、 食べてみる事自体は良いと思います。
その際は、いつもの食事にサバ缶を追加するのではなく、いつもの主菜をサバ缶、サバ料理に変えるようにしましょう。
というかEPAならサプリメントでもいいのでは・・・。過剰症には注意が必要ですが。