こんにちは。今回もビタミンシリーズで、妊婦さんがとくに聞く機会が多いと思う葉酸についてです。
葉酸とは
葉酸は、名前からはわかりにくいですが水溶性ビタミンの一種です。
ほうれん草の葉から発見されたため、葉酸と名付けられました。
葉酸は、主にプテロイルグルタミン酸を指します。 広義では、補酵素型のものも含み、 食事摂取基準等ではそれらを含めてプテロイルグルタミン酸相当量として記載しています。
光、熱、空気酸化により容易に分解するので、新鮮な野菜が良い供給源となります。
葉酸の働き
葉酸はアミノ酸や核酸(DNA,RNA)の代謝に関わっています。そのため、葉酸が不足すると正常な細胞が作れなくなります。
胎児では特に影響が大きく、葉酸が不足すると神経管閉鎖障害になる可能性があります。そのため妊婦の方は、なるべく初期のうちに葉酸を摂取する事を勧められています。
また葉酸は造血作用も持っているため、不足すると貧血(巨赤芽球性貧血)になる可能性があります。
葉酸を多く含む食品
葉酸は、緑黄色野菜に多く含まれています。
100g中では、
ほうれん草・・・110μg
ブロッコリー・・・120μg
キャベツ・・・78μg
レタス・・・73μg
たけのこ・・・63μg
葉酸の一日に必要な量
葉酸の必要量は、成人男性・女性で240μgとなっています。
また、妊婦では240μg、授乳婦では100μgの付加量が設定されています。
平成24年度国民健康栄養調査の結果によると、 成人の葉酸の摂取量の中央値は223μgであり、 野菜の摂取不足が言われているようにやや不足していそうです。
また、普通の食生活では、妊婦さんの付加量には対応できないため、 意識して葉酸を摂取するか、サプリメントや栄養機能食品を利用するのが良いと思います。
葉酸の欠乏症や過剰症
葉酸の欠乏症としては、巨赤芽球性貧血、舌炎などがあります。
また、葉酸はホモシステインからメチオニンという物質を生成するのに必要ですが、 葉酸が不足するとホモシステインが溜まります。 その場合には、動脈硬化などの危険因子になると言われています。
特に重要なのは、先程も書きましたが妊婦さんでの欠乏症です。
成長段階にある胎児には特に影響が大きく、葉酸が不足していると神経管閉鎖障害のリスクとなるため、摂取が望まれます。
時期的には、一周目など妊娠に気がつかない時期が一番重要です。 そのため、妊娠の可能性がある人は、その段階で栄養機能食品やサプリメントで補うと良いと思います。
葉酸では、過剰に摂取した際の障害が報告されており、 食事摂取基準でも耐用上限量が策定されています。
妊婦さんは、サプリメント等で摂取することもあると思われるので、 必要とはいえ過剰に飲まないようにぜひ注意してください。
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