今回も引き続きビタミンについてのお話です。
ビタミンAとは
ビタミンAとは、脂溶性ビタミンの一種であり、皮膚や網膜の生成に関連しています。
ビタミンAは、レチノールやレチナール、レチノイン酸といった活性型があり、 またビタミンA以外に、ビタミンAに変換されるプロビタミンAというものがあります。
プロビタミンAは、植物性食品に含まれ、有名なものではにんじん等に多く含まれるβカロテンがあります。
性質としては、酸性、酸素、光、熱に不安定ですが、中性やアルカリ性に安定です。 調理上の損失はそこまで多くありません。
ビタミンAの働き
ビタミンAの働きとしては、全身の組織の保護や、網膜の正常化、成長に働いています。
特に網膜では、ロドプシンという視細胞を作るのに必要であり、 ビタミンAと目の関わりは有名です。
また、プロビタミンAの中には抗酸化作用を持つものもあります。
栄養機能食品としての表示が許可されており、以下の二つがあります。
「ビタミンAは、夜間の視力の維持を助ける栄養素です。」
「ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。」
上限は600μg、下限は135μgとなっています。
ビタミンAを多く含む食品
ビタミンAを多く含む食品には、動物性食品ではレバー、プロビタミンAでは緑黄色野菜などに多く含まれています。
100g中では、
鶏肉レバー……14000μg
うなぎ…………1500μg
ぎんだら………1100μg
にんじん………720μg
ほうれん草……350μg
ビタミンAの一日に必要な量
ビタミンAの推奨量は、男性成人850μgで、女性成人で650μgとなっています。
平成24年度国民健康栄養調査の結果によると、 成人のビタミンAの摂取量は中央値で374μgとなっており、多くの人が足りていないようです。
レバーは日常的に食べるような食品ではありませんし、緑黄色野菜は不足しがちなため仕方のない結果だと思います。
ビタミンAをしっかりと摂るためには、緑黄色野菜を摂る事を意識するようにすると良いでしょう。
ビタミンAの欠乏症や過剰症
ビタミンAの欠乏症には、目に関わるもので眼球結膜乾燥症や夜盲症、他には免疫能の低下や、皮膚や粘膜の乾燥、成長障害などを引き起こす事があります。
眼球結膜乾燥症は、いわゆるドライアイというもので、ビタミンAの欠乏も原因の一つとなるようです。
ドライアイの方は、もしかするとビタミンAを摂取することで少し症状がマシになるかもしれません。
もちろん、長時間のパソコン、テレビや、部屋の乾燥、瞬きの回数等他にも要因がたくさんあるため、 全く変わらない可能性もありますが・・・。
夜盲症とは、その文字通り、夜に見えにくくなるというものです。
これらの欠乏症は、日本ではそこまで問題視されていないと思います。
摂取量自体は不足しているのですが・・・、多く摂った時に肝臓がしっかり貯蔵しているのかな?
発展途上国などではビタミンA欠乏は深刻な問題なようで、失明者が出る程なようです。
ビタミンAは脂溶性であり排泄されにくいため、多くの過剰症があります。
報告されているものとしては、頭蓋内圧亢進、頭痛、脱毛、吐き気や嘔吐など様々なものがあります。
妊娠の可能性のある方や、妊婦では、ビタミンAの過剰が胎児奇形を促進するため、過剰摂取に注意が必要です。
体内で必要量だけビタミンAに変換されるプロビタミンA(β-カロテン等)はほとんど問題になりませんが、 動物性食品に含まれるレチノール等はそのまま体内に貯蔵されるため、過剰症を引き起こしやすいです。
妊婦の方では、鉄分が不足する→レバーで鉄分を補給する、と考えがちですが、ビタミンAの事を考えると あまり多量に食べるのは良くないと考えられます。