こんにちは。今日はビタミンシリーズのビタミンKについてです。
ビタミンKとは
ビタミンKとは、脂溶性ビタミンの一種であり、血液凝固に関わるビタミンです。
天然に存在するビタミンKは、2種類あり、緑黄色野菜や海藻などに含まれるビタミンK1(フィロキノン)と、 チーズや納豆、また腸内細菌が作るビタミンK2(メナキノン)があります。
性質としては、熱や空気に安定ですが、光、紫外線、アルカリに対して不安定です。
ビタミンKの働き
ビタミンKの働きといえば、血液凝固に関する事がもっとも有名です。
血液凝固に関わる多くの因子がビタミンKを必要としているため、 ビタミンKは正常な血液凝固に必須といえます。
血液凝固に関するビタミンであるため、不足すると出血しやすくなったり、血液が固まりにくくなったりします。
また、骨の形成を促す働きもあり、ビタミンK2が骨粗鬆症治療薬として用いられています。
ビタミンKを多く含む食品
ビタミンKを多く含む食品には、納豆、海藻類、緑黄色野菜が挙げられます。
100g中では、
納豆…………600μg
わかめ………100μg
焼きのり……390μg
ほうれん草……270μg
ブロッコリー……150μg
白菜……………59μg
ビタミンKの一日に必要な量
ビタミンKの目安量は、男性成人75μgで、女性成人で60μgとなっています。
平成24年度国民健康栄養調査の結果によると、 成人のビタミンKの摂取量は中央値で158μgとなっており、多くの人が足りているといえそうです。
食事からの摂取に加え、腸内細菌からも産生されるため、 健康な成人ではビタミンKの摂取に気を使う必要は無いと思います。
ビタミンKの欠乏症や過剰症
ビタミンKは血液凝固に大きく関わるため、不足する事で血液凝固障害が起きる可能性があります。
また、骨形成の促進作用もあるため、不足することで骨が弱くなる可能性もあります。
とはいえ、先ほど書いたように、ビタミンKは多くの人で必要量を満たしており、 また腸内細菌も産生してくれているため不足することは殆どないでしょう。
ただし、腸内細菌の発達が未熟な新生児では要注意です。
腸内細菌からのビタミンK産生が少ない上、乳汁中のビタミンK量も少ないため、 ビタミンKが不足し出血をきたすことがあります(新生児メレナ)。
その対策として、ビタミンKシロップの投与等が行われています。
ビタミンKの過剰症については、 骨粗鬆症治療薬として大量に投与される事がありますが、それでも副作用は報告されていません。
そのことから、耐用上限量も設定されていません。
ビタミンKと薬の関係
ビタミンKは血液凝固に関わるビタミンであるため、血液凝固を抑制する薬(ワルファリン)の投与を受けている人では、ビタミンKの豊富な食品(納豆、青汁など)は食べない事とされています。
緑黄色野菜などや海藻は、過度な摂取は問題ありますが食事バランス等の都合上、適量は摂取する必要があります。 詳しい摂取量などは、医師や管理栄養士に相談するようにしましょう。