こんにちは!先日の記事に引き続きコレステロール関連です。 近頃発売されている油の多くに、「コレステロールゼロ」という表示があります。
コレステロールは悪者にされがちなので、それがゼロというと、 なんとなく健康的なイメージが沸くんじゃないかと思います。
コレステロールはもともと植物油には含まれない
さて、健康に良さそうな「コレステロールゼロ」の油ですが、ここで一つ注意があります。 コレステロールは、もともと動物の細胞に含まれている成分であるため、植物油にはほとんど含まれておりません。
そのため、コレステロールゼロと書かれていなくても、植物油ならコレステロールはゼロ、もしくは極微量です。
他で例えるなら、 「脂質ゼロのお茶」だとか、「糖分ゼロの塩」のようなものでしょうか。
当たり前の事を書いているだけなのですが、知らない人が多いため健康に良さそうなイメージを持たせることができます。 ちょっと詐欺っぽい表示ですね!
外国産のオリーブオイルなんかには、コレステロールゼロとは書かれていないと思いますが、 コレステロールは殆ど含まれていないはずなのでご安心を。
植物には植物ステロールが含まれる
さて、コレステロールは殆ど含まれないのですが、コレステロールの植物バージョンとも言えるもので、 植物ステロールというものがあります。動物では、コレステロールが生体膜の構成成分として使われていますが、 同じように植物では植物ステロールが使われています。
この植物ステロールは、コレステロールと似た構造を持つために、 コレステロールの吸収を抑える働きがあると言われています。 そのため、コレステロールゼロどころが、コレステロールを下げそうな油もあるわけですが・・・。 それを表示するためには特保の申請をしたりしないといけなくて、 大変面倒なのでコレステロールゼロという表示がされているのだと思います。
ただし、いくらコレステロールを下げるとはいえ、エネルギー自体は1gで9kcalありますのでご注意を。 油のとりすぎで肥満になれば、それはそれで様々な疾患のもとになるので。
植物ステロールについては、特保や研究もよくされているので、 もう少し詳しく別記事で書こうと思います。
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