こんにちは!今日の更新は焼酎の甲類乙類の違いについてです。 過去に管理栄養士国家試験に出題されたため調べたことがありますが、 その時にへー、と思ったので書いておこうと思います。
甲類乙類の違い
焼酎の甲類、乙類は、製法によって区別され、また製法が違うことから味も変わります。
・焼酎甲類とは焼酎甲類は、またの名を連続式蒸留焼酎といいます。 甲類は、連続式蒸留機を用いて、製造されます。詳しい原理は省きますが、何度も蒸留しアルコール濃度を高める蒸留法です。
連続式蒸留機では、何度も蒸留する過程により、非常に高い濃度のエタノールを精製することができます。 そのかわりに風味や香りが失われてしまいます。
よく言えば純度の高いアルコールを取り出す、悪く言えば風味や香りのないアルコールができる、といったところでしょうか。 純度の高いアルコールを精製したあと、水で希釈し焼酎甲類ができます。
甲類は、大量生産に向いているため、乙類に比べて安価で販売されています。 3.6Lなど大型のペットボトルで販売されていたりします。 そのままロックで飲んでも良いですが、ジュース割りやお茶割りにして飲むこともあります。
・焼酎乙類とは焼酎乙類は、またの名を単式蒸留焼酎といいます。 乙類は、単式蒸留器で蒸留して製造されます。 本格焼酎と呼ばれることもあります。
単式という名からわかるかもしれませんが、上記の連続式蒸留と違い、一回のみの蒸留で作られます。 そのため、原材料の風味や旨味成分が残りやすくなります。 焼酎乙類には、米焼酎、麦焼酎、芋焼酎、黒糖焼酎などがあります。
乙類はその製造法から、大量生産に向いておらず、価格が高くなりがちです。 甲類に比べ、高価な焼酎と言えるでしょう。
甲類乙類と本格焼酎
次に呼び名についての話です。 甲、乙、というのは、十干からのものであり、 甲、乙、丙、丁・・・と続きます。
契約書等に使われる事もありますが、一般的に、甲が一番、次に乙、といったような順番になっています。「甲乙つけがたい」などと言ったりもしますよね。
さて、ここで一つ問題になるのが、焼酎の甲類乙類という順番です。
甲類乙類という呼び名から、甲類が優れており、乙類はそれほどでもない、というイメージができます。しかし実際には、甲類のほうが安価なもので、乙類のほうが高価といえます。
なぜこのような事になっているかというと、製造方法の関係です。
乙類の蒸留方法は、昔ながらのものであり、甲類の蒸留方法のほうが最新です。 そこで、最新の蒸留方法である連続式のものを甲類、昔ながらの蒸留法である単式のものが乙類と定められました。
つまり焼酎の甲類乙類は、味や価格によって名付けられているのではなく、蒸留法が新しいか古いかによって名付けられているのです。
上記のように、甲類乙類というと、乙類のほうが劣っているというイメージがあるため、焼酎協会などで、乙類のことを本格焼酎と呼ぶことが提唱されました。
こういった経緯により、乙類のことを本格焼酎と呼ぶこともあるわけです。
普段は気にもしない名前ですが、名付けられた経緯や意味を知ると面白いなと思います。 今回ご紹介した甲類乙類については、管理栄養士国家試験の食品学の分野で出題されたこともありますので色々なことを知っていると思わぬところで役に立つことがありますよね。
このブログ読者の方で管理栄養士を目指している人が多いかはわかりませんが、こういった由来も知っておくと覚えやすくなるかなと思います。