こんにちは!今日の更新は、よく食品に添加されている、増粘多糖類という食品添加物についてです。漢字が並んで怪しげな添加物ですが、どのようなものでしょうか。
増粘安定剤について
添加物として「増粘多糖類」をよく見かけますが、分類としては「増粘安定剤」というものの中の一種になります。増粘安定剤とは、食品に粘性や結着性(粘りでくっつける)を出すような食品添加物です。
増粘安定剤の中には、
・液体のものをゼリー状に固める「ゲル化剤」
・粘性を高めることで、食品成分を均一にする「安定剤」
・少量添加するだけで高い粘性を出すことができる「増粘剤」
があります。
ゲル化剤は海藻から抽出されるカラギーナンやペクチンなどが用いられ、ゼリーやプリンなどに使用されます。
この説明だと安定剤は何に使っているのかよくわからないかもしれません。安定剤を使っているものは、例えばココアなど放っておくと沈殿してしまうようなものに添加されます。安定剤を添加することにより、内容物が偏ることなく維持されるわけです。
増粘剤はたれやドレッシングなどに用いられ、食品の粘度を向上させます。先ほどスーパーで見かけたものでは、チョコレートクリームに使われていました。
さて、話題の増粘多糖類についてです。東京都福祉保健局のホームページによると以下のように書かれています。
[既存添加物名簿収載品目リスト」及び「一般飲食物添加物品目リスト」の用途欄に増粘安定剤と記載された多糖類を複数で使用する場合は、「増粘多糖類」という簡略名が使用できます。この増粘多糖類を「増粘剤」として使用する場合は、用途名の「増粘剤」を省略することができます]
ようするに、上記の用途(ゲル化剤とか)で食品添加物を使う際に、複数の多糖類を使用した時は増粘多糖類という簡略表示ができますよ、ということです。
また、増粘多糖類の用途が「増粘剤」である場合には、単に増粘多糖類と表示することもできます。ゲル化剤として複数の多糖類を使用した場合はゲル化剤(増粘多糖類)と表示されます。
つまり増粘多糖類と表示されている場合には、いくらかの多糖類が入っており、粘度を向上させる目的で入っているというわけです。
安全性は?
多糖類はその文字通り、糖が複数繋がってできたものです。多糖類には、でんぷんや食物繊維があり、増粘剤として使われるカラギーナン等も同じような性質を持ちます。
つまり食物繊維のようなものであり、比較的安全であると推察されます。ただし、多量摂取すれば下痢や腹痛を引き起こす可能性はあるので、摂り過ぎには注意です。ジャム作りなどで、ペクチンの粉末が家にある場合なんかに使いすぎる事があるかもしれません。
もちろん食品添加物として使われている以上、動物を使った毒性試験も行われています。その結果に基づき添加量が決められているので、普段の食事で増粘多糖類入りの食品を食べたからといって、何か症状が現れるということはほとんど無いかと思います。