家庭で行う食中毒予防・衛生管理のポイント

2014/09/05

栄養学

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eisei

こんにちは!今日の更新は、家庭で行う食中毒予防・衛生管理のポイントについてです。

実際に食中毒になったという方は多くないと思いますが、危険性は身近にあるかもしれません。今まで食中毒になった事がなくても、食中毒が起きやすい場面というのもあります。 知っておいて損はないと思いますので、ぜひ見ていってください。

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家庭での食中毒はどのぐらい起きているのか

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厚生労働省の出している食中毒統計では、家庭での食中毒は約1割と、少ない印象です。 ただし、少なそうだし特に気にしなくてもいいか、と言うとそういうわけでもありません。

公的な統計データである都合上、件数に入るのは 患者が病院に行き、食中菌が特定され、さらに保健所により原因も特定された場合に限ります。

なんだかよくわからないけどお腹が痛い、菌も見つからないとあっては、食中毒と数えることができませんし、 食中毒だとわかっても、全く心当たりが無ければ原因施設不明と分類されてしまいます。 そのため、実際に家庭で起きている食中毒は、1割よりもかなり多いと予測されます。

一過性の腹痛、吐き気程度なら、様子見という方も多いでしょうし。まあ仮に家庭での食中毒が少ないとしても、防ぐ手段を講じて損はありません。ぜひとも実践しましょう。


食中毒に気をつけるべき対象者

本来ならば、誰だって食中毒になりたくなんかないわけですが、中でも特に注意するべき方がいます。 それは以下の人たちです。

  • 乳幼児
  • 高齢者
  • 体が弱っている人

健康な成人であれば、食中毒が発生しても軽い腹痛で済んだり、激しい嘔吐や下痢の症状があっても、適切な水分補給などを受ければ回復します。

しかし、代謝が未熟・落ちている乳幼児や高齢者は、脱水症状等の引き金となり、また食欲不振から栄養不良に繋がる可能性があります。

病気などで体が弱っている方でも、抵抗力が落ちていることにより、症状が強く出る事がありますので注意が必要です。本人が健康でも、子どものご飯を作ったり、祖父母、両親に食事を作る事があると思います。 そういった場合には、よく注意するようにしましょう。


食中毒予防の三原則

ではメインテーマの食中毒予防について。

食中毒予防は、企業でも家庭でも変わらず、「つけない」「増やさない」「殺す」です。 食中毒予防の基本となる三原則ですね。

食中毒予防三原則 その1 つけない

まず一つ目の「つけない」から説明していきましょう。 食中毒菌には様々な種類がいますが、汚染源となるものは多種多様です。 手洗いが不十分な手、肉や魚、台所用布巾、洗ったつもりの器具、スポンジなどなど。

肉や魚を触った後の手洗いが不十分であれば、肉魚由来の細菌がいろいろなところに拡散しますし、少し飛んだ肉汁などを台所用布巾で拭けば、布巾が汚染されるばかりでなく、 細菌を台全体に拡散させる事態になりかねません。

また、スポンジ除菌を謳った洗剤があるように、洗うための用具であるスポンジ自体も細菌の温床となりやすいため注意が必要です。

「つけない」ためのポイントとして以下のことがあります。

  • 肉や魚を購入した際は、ドリップによる汚染を防ぐためポリ袋へ入れる
  • 手洗いの徹底
  • 布巾やスポンジなどの除菌(漂白や煮沸)
  • 肉魚の包丁、まな板の使い分け
  • 肉や魚は最後に切る

食中毒予防三原則 その2 増やさない

次に、「増やさない」について。増やさない、とはもちろん、食中毒菌を増やさないという意味です。 これは、食中毒予防において、加熱の次に重要であると考えています。

食中毒菌は、増えやすい温度帯というものがあります。だいたい、20℃~50℃ぐらいです。 中でも35℃前後はピークです。

一番危ないのは、夏場のお弁当。 涼しいオフィス等に置かれているならともかく、外出などで常温下で置かれていては・・・。 増えやすい温度という条件に加え、調理してから時間も経過し、 食中毒菌がみるみる増えていく事が予想されます。

いくら家庭での食中毒があまり起きてないとはいえ、 細菌の至適温度で放置されればさすがに危険です。

「増やさない」ためのポイントは以下のとおりです。

  • 調理後は速やかに冷やす、または保温しておく(ぬるいまま放置しない)
  • 調理後から食べるまでに、時間をあけない
  • 夏場のお弁当は冷ました上に保冷剤等をつける

温度管理と、調理後の時間経過がポイントです。

食中毒予防三原則 その3 殺す

最後に、「殺す」について。物騒なので、やっつけると言い換えている場合もあります。

食中毒菌をやっつけるためには、とにかく加熱です。食中毒菌は熱に弱い菌が多く、十分な加熱を行うことで危険性を大きく減らすことができます。具体的には、食材の中心温度75℃以上で1分間の加熱(ノロウイルス汚染の可能性がある時は85℃90秒以上)

中には耐熱性の菌や、耐熱毒素を産生する菌もいますが、加熱後すぐ食べることの多い家庭では、そこまで問題にならないでしょう。

「殺す」ポイントは以下のとおりです。

  • 肉や魚は十分な加熱を行う(75℃1分以上)
  • 保存しておいた食品は、食べる前に十分な加熱を行う
  • アルコールスプレーなどで、器具や台を殺菌する

まとめ

食中毒は、家庭では適当な調理を行っていても意外と起きないものですが、 起きた時に重症化しやすい乳幼児や高齢者への食事へは、特に配慮が必要です。

食中毒予防のポイントとしては、とにかく増やさない事と、殺すことです。 この二つが徹底されていれば、食中毒菌が少しぐらいついていても、問題無いことが多いです。つまり、食材はしっかりと加熱し、常温で長時間放置しないというのが最も重要です。

自己紹介


とっぽ
高校で調理師科を卒業し、調理師免許を取得。管理栄養士学科を卒業し、管理栄養士免許・栄養教諭一種免許を取得しました。現在は都内某所の施設に勤務しています!どうぞよろしくお願い致します。

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