炭水化物とは何か

2014/10/12

栄養素関連

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炭水化物

こんにちは!今日の更新は炭水化物についてです。

炭水化物が多く含まれている食品は有名ですが、炭水化物自体が何かと言うとよくわからない人が多いはず。ということで、炭水化物が何かというのを書いていこうと思います。


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炭水化物とはなにか

炭水化物は、単糖を構成成分とする物質の総称です。

分子式で表した時に、炭素と水素、酸素があることから炭水化物と言われます。

単糖とは、それ以上分解できない糖類の最小物質であり、グルコースやガラクトース等が有名です。

人間の体では、でんぷん(単糖がいっぱい繋がったもの)等の炭水化物を分解し、単糖にしてエネルギーにし活動しています。

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図にするとこんな感じ。分解酵素が無いため人間は分解できませんが、食物繊維も炭水化物です。

食物繊維は糖が繋がってできていて、上記の図でいうと多糖類の仲間です。

草食動物では、食物繊維を分解して二糖類や単糖にできるため、草を食べてエネルギーを得ることができます。

炭水化物の代謝

上記でもちらっと書きましたが、炭水化物の代謝について。

でんぷん等の炭水化物は、まず口の中で唾液による消化(唾液アミラーゼ)を受けます。さらに、十二指腸に入り膵アミラーゼにより分解され、最終的には小腸で単糖類まで分解され吸収されます

これらの分解酵素はどれも、糖と糖がつながっている結合を切るものです。

食物繊維も糖と糖が繋がってできていますが、結合がちょっと特殊なため、切ることができず人間は消化できません。

ちなみに唾液で分解が始まると書きましたが、その分解酵素によりこんな事が起きたりもします。
麻婆豆腐が水っぽくなるのは何故か

分解され小腸で吸収されたあとは、血液中に入り全身の細胞で使われていきます。

この時は血液中に糖が増えており、血糖値が上昇している状態です。血糖値が上がると、血糖値を下げるホルモン(インスリン)が分泌されます。

インスリンは、細胞が糖を取り込むのを促進したり、脂肪に合成するのを促進したりします。

そうやって血糖値を一定の状態に保っています。

インスリンの出が悪くなったり、効きが悪くなったりすると血糖値が高い状態が続くようになり(糖尿病)血糖が高い状態は内蔵や血管にダメージを与えるため、腎臓病や失明を招くことになります。

炭水化物の一日に必要な量

炭水化物の一日に必要な量についてですが、日本人の食事摂取基準に以下のように記載されています。

「エネルギー産生栄養素バランスを定めるには、たんぱく質の量を初めに定め、次に脂質の量を定め、その残余を炭水化物とするのが適切であると考えられる。」

たんぱく質や脂質は過剰、不足ともに問題があることが知られているため、まずはそれを決めて残りのエネルギーを炭水化物に割り振っています。

炭水化物の過剰は、糖尿病との関わりが考えられますが、適正エネルギー内の摂取で問題があるかどうかは定かではありません。

例えば、ご飯を食べ過ぎて、適正カロリー2000kcalのところ、3000kcal摂取すれば問題だが、2000kcalのうち炭水化物の割合を増やして問題があるかはよくわからないという話です。

さて、上記の話でいうと、たんぱく質の摂取量はおよそ摂取エネルギーの10~20%程度、脂質は20~30%程度なので、その残りが炭水化物。

つまり炭水化物の摂取量は、摂取エネルギーの50~70%程度ということになります。摂取エネルギーが2400kcalであれば、
2400*0.5/4=313g
2400*0.7/4=420g
となり、炭水化物の摂取量は大体313g~420gになれば良いということ。

ちなみに、牛丼並盛りの炭水化物量で、100gほど。だいたい妥当そうな感じがしますね。

炭水化物を多く含む食品

炭水化物は上記で挙げたように単糖、二糖類やでんぷん等が摂取源として主になります。

糖としては、砂糖が一番摂取が多いでしょう。

でんぷんでは、小麦、米、とうもろこし、そば、じゃがいもなど。つまりは主食になるものに多く含まれています。

低炭水化物食の流行りについて

さて、今までは食事摂取基準の考え方が主流だったのですが、最近は低炭水化物ダイエットのような、低炭水化物食による健康法が注目を受けています。

これはそこいらの単品ダイエットなんかとは違って、有効性があるかもしれないとし、糖尿病学会などでもよく研究されているものです。

肥満に対して短期的に有効だったり、血糖コントロールにも有効かもしれないとする研究がある一方、長期的には失敗しやすい、健康リスクがあるという報告があるなど、一筋縄ではいかない感じです。

詳しくはこちらの記事にて記載しています。

多くの管理栄養士、医師的には、まだ研究が不十分という感じかと思いますので、栄養指導で、低炭水化物食が勧められることはほとんど無いと思います。

低炭水化物食については、研究がたまり次第有効かどうか判断されるといった感じですね。

自己紹介


とっぽ
高校で調理師科を卒業し、調理師免許を取得。管理栄養士学科を卒業し、管理栄養士免許・栄養教諭一種免許を取得しました。現在は都内某所の施設に勤務しています!どうぞよろしくお願い致します。

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