こんにちは!今日の更新は水分活性について。食品の保存性の要素の一つとして、水分活性というものがあります。
※2019年5月 表を綺麗に作り直しました。
自由水と結合水
食品には水分が含まれていますが、大きく自由水と結合水に分けることができます。
・自由水
食品中の成分と結合せず存在し、移動する事ができる水。蒸発したり、凍ったりする。微生物が生育で利用する。
・結合水
食品中の成分と結合した水のこと。微生物が利用しにくい。
つまり、自由水が多い食品ほど腐敗しやすいということです。自由水が多い食品には、生鮮食品や飲料などがあります。
また、砂糖や塩を添加して、自由水の割合を下げ保存性を高めた食品もあります。具体例としては、漬物やジャムなど。どちらも水分を保有していますが、塩や砂糖等と結合しているため、微生物が利用しにくくなっています。また、乾物も、水分が少ないため腐敗しにくくなっています。
水分活性とは
水分活性とは、食品水分中の自由水の割合を占める指標です。純水で1であり、自由水が少ないほど下がります。
水分活性が高いということは、微生物に利用されやすい自由水が多く、水分活性が低い場合には微生物の利用できる自由水が少ないということです。
微生物が繁殖可能な水分活性は、およそ0.9と言われています。カビや乾燥に強い微生物は、0.8や、0.75でも生育可能だそうです。
0.6以下になると、全ての微生物は繁殖できなくなります。なので、0.5程度の乾燥食品では、微生物による腐敗はありません(湿気たりしなければ)。
細菌の多くが繁殖できないもので、中間水分食品というものがあります。適度な水分を保ちつつ自由水の割合が低いので、保存性を保ちながらそのまま食べる事ができます。
最近では減塩や低カロリー食品が流行っているということで、塩や砂糖を控えつつ水分活性を下げる研究がされているとかなんとか。うまくいけば、従来の添加物とは変わったものになりそうですね。