マグネシウムとは
マグネシウムは原子番号12の元素で、元素記号はMgと表記されます。
マグネシウムは6割程度が骨組織に存在しており、骨や歯の形成に必要です。残りは血漿や筋肉中など様々な部位に存在し、多くの酵素反応やエネルギー産生に関係しています。
マグネシウムは欠乏すると、腎臓からの再吸収が亢進し、また骨からマグネシウムが遊離し、一定の濃度が保たれています。
それで補えなくなり、低マグネシウム血症となると、吐き気やふるえ、脱力感、食欲不振等の症状が現れることがあります。
また長期的に不足すると、骨粗鬆症や心疾患、糖尿病などの生活習慣病のリスクを上げることが示唆されています。
マグネシウムを多く含む食品
マグネシウムは全ての細胞や骨に含まれており、精製・加工されていない食品に満遍なく存在しています。
比較的多い食品には、大豆製品や貝類などがあります。
100gあたりでは
油揚げ……130mg
納豆………100mg
あさり……100mg
いくら……95mg
豆乳………25mg
マグネシウムの一日に必要な量
日本人の食事摂取基準では、マグネシウムの推奨量は成人男性で340mg、成人女性で270mgとなっています。
日本人の国民健康栄養調査では、摂取量は中央値で204mgとなっており、摂取量は不足している方が多いと考えられます。
ただし、マグネシウムの推奨量は、出納がゼロになる値を求めた研究から算出されており、この量に満たないからといって欠乏症が起きるとは限りません。
マグネシウムが不足しているから進んで摂取するというよりは、他のビタミンやミネラルも合わせてとるため、主食主菜副菜の揃ったバランスの良い食事を摂ると良いでしょう。
マグネシウムの過剰症や欠乏症について
通常の食事からの摂取では、過剰症になることはありませんが、サプリメント等で大量に摂取した際過剰症が現れることがあります。
マグネシウムの最初期に起こる過剰症は下痢です。このことから、マグネシウムは下剤として用いられることもあります。
また、日本人の食事摂取基準では、一番最初に起こる症状である事から、下痢が起きるかどうかを耐用上限量の指標にしています。
なお、サプリメント等から摂取する場合の耐用上限量は350mgで、推奨量と非常に近い値になっています。年齢によっては、推奨量が耐用上限量を超えている場合もあります。
つまり、マグネシウムの場合はサプリメントで全て賄うというわけにはいかない事になりますね。サプリメントから摂る場合でも、朝昼夕に分ければ、症状は現れないとは思いますが。
他の過剰症については起こることは稀です。多量摂取した場合には軟便・下痢として排泄され、また、過剰に吸収された場合でも尿に排泄されるためです。
マグネシウムは体内の様々な酵素に関係するため、様々な疾患の誘因となるかもしれません。
食事摂取基準では、長期にわたるマグネシウムの不足が、骨粗鬆症、心疾患、糖尿病等の生活習慣病のリスクを上昇させるかもしれないとしています。