こんにちは!今日の更新は、カロリー(エネルギー)について。
通常であれば、カロリーをどれくらい摂れば良いのかなんて気にしないと思いますが、体重が増えてきた、ダイエットがしたい等の悩みが出てくると途端に気になると思います。
ネット上では計算式やら色々書いてありますが・・・。管理栄養士視点で、どう捉えるのが良いのか書いていきたいと思います。
よくある考え方
ネット上で「カロリー 必要量」と計算すると、 クックパッドさんのダイエットシュミレーションページが出てきたり、特に根拠もなく1800kcalだとか1600kcalだとか数字が出ていたり、そんな感じです。
実際に病院等の現場でも使われる簡易式は、
標準体重×25~35kcalというもの。
標準体重とは、BMIと呼ばれる指標で、最も死亡率が低いBMI=22になる体重のこと。標準体重の出し方は、
22×身長(m )×身長(m )=標準体重
例えば165cmであれば、
22×1.65×1.65=60kg
となり、カロリーはそこから
60kg×30kcal=1800kcal
25~35kcalでばらつきがあるのは、運動等によって変化。日常で運動や生活活動が少ない人は25、激しい運動や、仕事上活動の多い人は35といったように、合わせて変化させます。
ただし、成人男性等では必要カロリーが非常に高く、年齢が考慮されていない上記式では不十分かと思います。年齢も考慮されたもっと細かい式もありますが、今回は割愛。
あとよく使われるのは、厚生労働省が出している日本人食事摂取基準です。
こちらは身体活動レベル、年齢毎に区分したカロリー必要量の表。若い男性は、結構高いエネルギーが示されています。
18~29歳の間で、あまり運動をしない女性なら1650kcal・・・、等当てはめるだけで簡単に基準を知ることができます。
カロリーについての考え方
よくあるカロリーの計算法やら表やらを紹介しましたが、一旦話を変えカロリーの考え方について。
必要カロリーは個人差が非常に大きい
注意しておいて欲しいのは、必要カロリーというのは個人差が非常に大きいということです。
例えば先ほど紹介したカロリー計算サイトで、1800kcalと出た「ああ、じゃあ自分の必要カロリーは1800kcalなんだな」と思ってはいけません。
人体は非常に複雑で、筋肉量、体格、遺伝、基礎体温など様々な要素で使うカロリーが変わります。計算上1800kcalだとしても、実際に一日に使うカロリーは、1600kcalだったり2200kcalだったりします。
正確なカロリー消費量は、研究でも無い限り算出できません(二重標識水法等で算出されます)。
計算から出た値はあくまで目安
計算から出た値というのは、あくまで目安です。例えばダイエットを開始して、「食事をどれぐらいにしたら良いかわからない…。とりあえず目安になる数値が欲しい」といった場合に使用します。
一番大事なのは体重の変化
先ほど、正確なカロリー消費量は算出できないと書きましたが、一つだけ信頼性の高い出し方があります。ここしばらく体重の変化が無い方は、摂取カロリー=消費カロリーです。
体重の変化が無いということは、摂取した食品から得たカロリーと、消費カロリーがほとんど等しいということ。もしここからダイエットをしたいなら、今の食事を減らす(摂取カロリーを減らす)もしくは、運動を増やす(消費カロリーを上げる)このどちらか、もしくは併用して実践すれば良いということになります。
体重や筋肉量が変化すると、そのうちまた、摂取カロリーと消費カロリーが等しくなる時が来ます。そうしたら、また同じように、摂取カロリーを減らしつつ、運動等で消費カロリーを上げれば良いわけです。
体重の変化を観察するのは非常に重要です。病院等でも、食事を決め提供をはじめたら、そのままではなく、体重の変化を見て、適正量かどうか判断します。
カロリーは体重の変化に直結しているため、体重を観察するのが一番の指標になります。
体重の変化が無い人=今摂っている食事が大体ちょうどいい(プラマイゼロ)
体重が増えていく人=今の食事は多い(摂取カロリー>消費カロリー)
体重が減っていく人=今の食事は少ない(摂取カロリー<消費カロリー)
というわけですね。
ここからダイエットに発展させようと思ったら、要は摂取カロリーを減らして、消費カロリーを増やすという至ってシンプルな話になります。そこから摂取カロリーの減らし方の工夫が色々、消費カロリーを増やす工夫が色々・・・、と話し始めるとキリがないのでこの辺にしておきますが、基本は上記の考え方です。
まとめ
とりあえず目安で必要カロリーが知りたい場合は、標準体重×25~35kcalの簡易式を用いたり、食事摂取基準の表を見たり、計算してくれるサイトを利用すると良いでしょう。
結果は体重に反映されていきますので、気になる方は毎日体重チェックを行いましょう。体重は水分やグリコーゲン(糖質の貯蔵形態)の蓄え具合等で変動するので、あまり細かい変化で一喜一憂しないように。
体重を観察すれば、あとは簡単。変動が無ければ今の食事と消費はプラマイゼロ、減るならマイナス、増えるならプラスになっているということですね。
細かい話は省きましたが、筋力トレーニングをしていたり、ダイエットをしていたりするともっと複雑です。筋肉と脂肪の重さの違いとか、体脂肪率とかも大事な要素です。気が向いたらそのあたりの話も書こうと思います!