リンとは
リンは原子番号15の元素で、元素記号はPと表記されます。リンは骨や歯、細胞膜を構成しているミネラルです。核酸、ATP、リンたんぱく質等の構成にも使用され、体の色々なところで使われています。約80%は骨や歯で、カルシウムと結合して存在しています。
リンはさまざまな食品に含まれています。中でも多いのは、動物性食品です。様々な食品に含まれているため、一般に不足することがなく、むしろ摂り過ぎが問題とされています。
リンの目安量と耐用上限量
日本人の食事摂取基準によると、リンの目安量は成人男性で1000mg、成人女性で800mgとなっています。耐用上限量は、男女ともに3000mgとなっています。
目安量とは、これだけ摂っていれば不足しないと考えられる量で、耐用上限量とは、過剰症が起きないように設定された指標です。
国民健康栄養調査によると、成人でのリン摂取量の中央値は男性で1022mg、女性で878mg。目安量とほぼ同じ値ですね。この値は、加工食品に含まれるリンを含んでいない値らしく、実際の数値がこれよりも高いと考えられます。普通の食事を摂っていれば、不足することはないでしょう。
問題は過剰症です。リンの過剰摂取は、副甲状腺ホルモンの増加、カルシウムの吸収抑制等を引き起こします。副甲状腺ホルモンは、血中のカルシウムを上げさせるホルモンで、骨のカルシウム溶かし血中に移行します。カルシウムの吸収抑制も合わせて、骨密度の低下を引き起こすのでは、と危惧されています。
実際の骨密度への影響は研究が十分ではありませんが、過剰摂取しないに越したことはありません。
どんな食品に多いのか
リンはほとんど全ての食品に含まれていますが、中でも動物性食品に多く含まれています。また、加工食品では食品添加物としてのリン使用も多いです。ただ、使用している事の表示は必要ですが、量までの表示義務はなく、食品添加物からどれほど摂取しているかは不明です。
普通に食事を摂っている分には過剰になる事はないと考えられますが、外食や、加工食品に偏った食生活をしていると過剰になる可能性があります。
外食や加工食品に偏った食事は、塩分や脂質過剰にもなりやすいので、注意が必要です。
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