活動時の消費カロリーを計算するときの注意点

2018/12/28

栄養学

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こんにちは!今日の更新は、活動時のエネルギーの計算方法についてです。

カラオケに行くと歌ったあとに何キロカロリー消費したかの表示がありますが、なんかやけに多い気がするんですよね。

カラオケ以外でも、運動で何キロカロリー消費したのかというのは、いろいろなサイトやアプリで計算できます。

ただ、時々怪しい数字が・・・、ということでエネルギーの消費についての考え方をまとめてみます。

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日本で主に使われる計算方法

日本人の身体活動については、厚生労働省が生活習慣病の予防のための指針を発表しています。

一番最初の指針は、「健康づくりのための運動指針2006」という名で文字通り2006年に、その後改定され、「健康づくりのための身体活動基準2013」にかわっています。

この指針の中で使われる運動の単位として、メッツ(METs)というものがあります。メッツは国際的にも使用されている単位で、様々な活動のメッツが明らかになっています。

メッツとは、安静時を1とした時と比較して何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示します。

具体例を挙げると、安静時に1時間で50kcal消費するとして、歩行が2METsだとすると、1時間歩行すれば100kcal消費するということです。

そもそも安静時の消費エネルギーがいくつなのかというのが非常に難しい問題で、性別差、年齢、体重、骨格筋量等で左右してしまい正確な数値を断定するのは困難です。そのため、推定式を用いるのが一般的です。

その推定式自体もたくさんあって、精度が高いほど難しい式です。一般的なサイトやアプリで使われているのは、厚生労働省で情報提供サイト(e-ヘルスネット)で公表されている、
エネルギー消費量(kcal) = 1.05 × メッツ・時× 体重
という式です。

つまり1時間あたりの安静時の消費エネルギーは体重×1.05ということになりますね。

ほとんどのサイトでこの計算式を使用している

運動の消費エネルギーを計算できるサイトのほとんどは、先程の推定式を使用して計算しています。

それぞれの運動が何METsなのかというのは、非常に細かく公表されていて、特に国立健康栄養研究所のMETs表が詳しいです。

細かすぎて見づらいのが難点ですが、おそらく大体の活動は当てはめられるでしょう。

この計算式の罠

この計算式は簡単で、METsの数値も国際的な数値なので研究が多いのが良い点です。ただし、その捉え方には注意が必要です。

例えば、こういう質問があったとします。
「1時間ジョギングをしたけど、どれぐらいプラスで消費できたんだろう?」

その人の体重は50kcalで、ジョギングが7METsだったとしましょう。
エネルギー消費量=1.05×7METs×50kgという式から、1時間のジョギングで、368kcal消費したということになります。ただし、この368kcalをジョギングによって消費したエネルギーとして回答をするのは違和感があります。

一日の消費エネルギーを計算する場合は上記の数字で正しいのですが、運動でどれぐらいプラスで消費できたか、という質問に回答するには、安静時の消費量を引かなければなりません。

この運動で何キロカロリー消費できるんだ?と思う人は、だいたいの人はプラスで何キロカロリー消費できるのか、を聞いていると思いますが、どうでしょう。

計算式そのままを表示するサイトやアプリも多い

活動時の消費エネルギーを計算してくれるサイトやアプリをいくつか試しましたが、上記の計算式そのまま使っているところもありました。きっちり安静時分を抜いているところもありました。

ざっと見た感じは、安静時分を抜いていないサイトのほうが多かったかな。数十キロカロリーではありますが、運動で消費されるエネルギーを過大評価することになってしまいます。

参考にする時は、安静時の消費量を含んでいるのかどうかを気にしたほうがより正確な値になると思います。

自己紹介


とっぽ
高校で調理師科を卒業し、調理師免許を取得。管理栄養士学科を卒業し、管理栄養士免許・栄養教諭一種免許を取得しました。現在は都内某所の施設に勤務しています!どうぞよろしくお願い致します。

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