こんにちは!今日の更新は「ハチミツに殺菌作用は本当にあるのか?」というテーマについてです。
ハチミツの殺菌作用については有名な話で、インフルエンザや風邪に効く・・・、と謳っているホームページなんかがあります。
実際のところどうなのでしょうか。ということで調べてみました。
ハチミツの殺菌作用とは?
ハチミツの殺菌作用は、いくつかの機序により作用します。
まず高い糖濃度であること。浸透圧の関係で、細菌やカビが活動するのに必要な水分を奪いとり、細菌の繁殖を抑えます。ハチミツ自体が常温でも腐らないのは、この糖濃度によるところが大きいです。
もちろん、この効果は飲料に入れる等すると薄まってなくなります。
次に、蜂がハチミツを作る時、グルコースオキシダーゼをいう酵素を入れ込むこと。グルコースにこの酵素が作用し、グルコン酸や過酸化水素を生成します。
グルコン酸が含まれることにより、ハチミツは弱酸性になり、細菌の住みにくい環境になります。
また、過酸化水素は傷口に使う消毒液にも使われる物質で、非常に高い殺菌力を持つ物質です。
ハチミツはこれらの仕組みが組み合わさって高い抗菌作用を持っています。
また、はちみつの種類でマヌカから採れたハチミツ(マヌカハニー)は「メチルグリオキサール」というマヌカ由来の成分でより強い殺菌作用を持ちます。
人への作用は?
ハチミツが強い殺菌作用を持つのは事実で、ハチミツ自体かなり長い期間常温で保管できます。
ただし、ここで栄養学特有の困った問題があります。
"ハチミツは高い殺菌作用を持つ=風邪やインフルエンザの予防にも役立ち、治療にも貢献するはずだ"
連想ゲームでこう決めつけてしまうのはやりすぎです。このような予測を立てて研究をするのは大事なことですが、研究もないのに断定してしまっている情報サイトも多くあります。
人への作用についての研究
ハチミツの人への作用についての研究は、国立健康栄養研究所のハチミツのページに、研究がよくまとめられています。
ハチミツの人への作用で効果がありそうだとされているのは、【咳症状の軽減】です。辛い咳症状が軽減されるのは助かりますね。
ただし、風邪やインフルエンザの予防や、罹患期間の減少について有効性を示している論文は見つけられませんでした。(見つけたら教えて下さい)風邪やインフルエンザの予防に・・・と言ってしまうのは言い過ぎだと思います。
また、ハチミツの医薬品としての活用法として、医療用ハチミツを開発し創傷部の治療に役立てようという研究もあります。
これはそれなりに効果を挙げているようですが、普通のハチミツを傷口にぶっかけて治療に役立つかは難しいところです。水分を奪う力が強すぎて過度な乾燥を招き、やり方によっては治りを遅くする可能性があるそうです。
結論
まずハチミツが殺菌作用を持つというのは紛れもない事実です。
ただし難しいのは、人への作用として優れているかは別問題だということ。研究では咳症状の軽減などの有効性が示唆されていますが、風邪やインフルエンザの予防に良いかは不明です。
怪我や口内炎にハチミツを塗るという民間療法も存在しますが、場合によってはむしろ治りが遅くなることもあるようです。
ハチミツの人への効果はいくつかはあるかもしれません。が、怪我にはオキシドールをかければいいし、口内炎には口内炎用の薬を使えばいいし、咳が辛かったら風邪薬を使えば良いのでは?と思いますね。
確実に効果を示す薬があるのに、あえてハチミツで代用しなくても・・・。ハチミツは美味しいから食べる、それ以上の効果はあったらラッキーぐらいに思っておくのが良いと思います。
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