こんにちは!今日の更新は、朝食として食べるグラノーラ等のシリアル食品は健康に良いのか?というテーマです。
日本には和洋中様々な料理があり、朝食の選択肢も非常に豊富です。ご飯だったり、パンだったり。
そのうちの選択の一つして、シリアルがありますが、これは健康面を考えるとどうでしょうか。
シリアル食品とは?
シリアル食品とは、とうもろこし、麦、米などの穀物を食べやすく加工した食品です。
とうもろこしから作るコーンフレーク、オーツ麦等から作られるグラノーラ等があり、ドライフルーツを添加した商品もあります。
会社としてはケロッグのシリアル食品が有名でしょうか。他にも各社で作られています。
日本では、昔はコーンフレークのほうが消費量が多かったのですが、健康志向が高まりグラノーラの消費が伸びています。
日本人の健康の問題点
シリアル食品の健康について考える前に、日本人の健康の問題点を考えていきましょう。
厚生労働省の出している、平成29年の人口動態調査によると、日本人の現在の死因TOP5は、
1位 がん
2位 心疾患
3位 脳血管疾患
となっています。
3位は僅差で、肺炎、老衰がほぼ同率です。しばらくは、肺炎が3位でした。
いずれも食習慣の乱れがリスクに大きく関与する疾病で、生活習慣病とも呼ばれています。
なので、日本人の食生活を考える場合は、生活習慣病にならないような食生活というのが健康増進に重要なわけです。
以上のことを考慮しながら、現状の日本人の食生活の問題点を考えます。
過栄養
近年食事の欧米化が進み、食べ過ぎによるメタボリックシンドロームが問題視されてきています。
メタボリックシンドロームとは、肥満をもとに、血中の脂質の乱れ、高血糖、高血圧などを引き起こす状態です。
この状態が続くと、日本人の死因でもある、がんや心疾患、脳血管疾患などのリスクが跳ね上がります。
メタボリックシンドロームは栄養素の不足というより、栄養を摂りすぎてしまう事が原因で起こります。食事を適度な量に調整する必要があります。
各微量栄養素の不足
日本人のビタミンやミネラルの摂取量は、意外と低めです。
むしろ十分に満たしている栄養素のほうが少ないかもしれません。また、微量栄養素ではないので加えていませんが、食物繊維も不足しています。
カルシウムやビタミンDの不足は将来の骨粗鬆症のリスクを上げ、食物繊維は上記の死因のリスクを下げるのに役立ちます。
塩分過多
日本は世界的に見ても塩分の摂取量が多い国です。和食にしょっぱいものが多い弊害かもしれません。
食塩の摂取量は、減塩の啓発効果もあり年々下がってきていますが、それでもまだまだ高い数値です。
高血圧の要因の一つであり、塩分を控える必要があります。
朝食のシリアルは健康に良いか?
以上の点を踏まえて朝食にシリアルを摂ることが健康に良いか考えてみます。
微量栄養素のバランスに優れる
まず、シリアルの栄養価ですが、多くの製品がビタミンやミネラルが強化されており、微量栄養素のバランスに優れています。
また、牛乳やヨーグルト等の乳製品をかける事が多く、日本人が不足しがちなカルシウムをフォローできます。
シリアルのビタミンやミネラルは添加されている栄養素なので、例えば「普通に朝ご飯食べてビタミン剤とミネラル剤飲めばいいじゃん?」と言われれば、それはその通りです。
食塩が少ない
個人的に、朝食のシリアルの健康を考える上で、食塩が少ないというのは最も重要な点です。
シリアルは砂糖が含まれ甘さで美味しく食べられるようになっており、塩気はありませんね。
日本人は食習慣的にも食塩の摂取量が多く、減塩は健康を考える上で大事な目標の一つです。
健康に良いとよく言われるのは、一汁三菜のような和食の朝食です。しかし、栄養バランスがとても良いとしても、塩だけはどうしても無しというわけにはいきません。
昼、夕でも食塩を摂取しますから、朝食分の塩分をカットできると考えると大きなメリットだと思います。
なお、WHOの食塩の目標量は一日5g、日本の食塩摂取量の目標量は男性8g、女性7gです。日本の目標量がWHOより高いのは、5gや6gなどの目標を達成するのが現実的ではないからです。実際に、国民健康栄養調査によると、日本人の食塩摂取量は男性9.8g、女性で8.4gとなっており、減塩の目標値まではまだまだ遠いというのが実情です。
製品によっては食物繊維を摂れる
また、食物繊維も不足しがちな成分ですが、シリアル食品には食物繊維を摂れる製品があります。
小麦の外皮を原料にしたようなシリアル食品ですね。こちらの記事でも紹介しました。
まあ、正直言って美味しくないのですが・・・。
朝食のシリアルのデメリットは?
では次によく言われるシリアルのデメリットについてです。
砂糖が多い
ネットでシリアルのデメリットを書いているサイトを見ると、砂糖が多いから健康に悪いと書いてあります。
日本で人気のあるフルーツグラノーラでは、一食あたり砂糖小さじ2杯分ぐらいの砂糖が入っています。
砂糖はおやつとして摂りすぎるとたしかにあまり良くありません。しかし、朝食として食べる分にはシリアルに含まれる分ぐらいなら問題ありません。
もしこれを問題とするならば、朝食に食べるパンや精白米も健康に悪いと言えるでしょう。精製された米や小麦は砂糖と同じように急激に血糖値を上昇させますからね。
砂糖が多いから健康に悪いという記事を書いた方が多数いますが、きっと精白米のかわりに玄米を食べ、パンを食べる時は全粒粉パンを食べているのでしょう。
カロリーが高い
他にも健康と謳われているわりにはカロリーが高いというのも指摘されています。
例えばフルーツグラノーラ一食分(50g)のエネルギーが221kcalです。これに牛乳を加えて食べると360kcalほど。ご飯茶碗一杯で240kcalぐらいなので、カロリーが特別低いというわけではありません。
過栄養という話もありましたが、健康に良さそうだからとフルーツグラノーラをたくさん食べていると、メタボの原因になることはあります。食べる量は調整しないといけません。
たんぱく質は取りづらい
普通の朝食と比較して、主菜に相当するものがないので、たんぱく質はあまり摂れません。
昼と夜でしっかり食べられていれば不足するほどではありませんが、ダイエット等で食事制限をしている人が食べる場合はたんぱく質も意識的に摂ったほうが良いかもしれません。
まとめ
日本人の最近の食生活の問題点を考えると、朝食として食べるシリアル食品は健康面を考えても良いと思います。
また管理栄養士が栄養指導をする際には、「それが実施可能か?」というのも重視します。
「一汁三菜でバランス良く、しかも高度に減塩に配慮した食事を毎朝作る」そんな朝食ならシリアルを食べるよりも健康に良いでしょうが、朝の忙しい時間にそれを準備するのはなかなか困難です。
しかし、シリアルを計量して牛乳をかけて食べるだけなら、多数の人が実践可能です。手軽さを考えても悪くない選択だと思います。
大変にためになる記事でした。ありがとう。
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