こんにちは!今日の更新は、pH調整剤についてです。
前回のランチパックについての記事で、食品添加物について書きました。
その中で出た、pH調整剤について、少し掘り下げて書いてみようと思います。
pHとは
pH調整剤とは…の前に、pHという言葉について解説しておきましょう。
pHとは、ピーエイチ、もしくはペーハーと読みます。酸性、アルカリ性の尺度です。
pHは7が中性、それより小さいと酸性、大きいとアルカリ性になります。
肉や魚、野菜など多くの食品は弱酸性です。中でも、レモンや梅干しのような酸っぱいものは強い酸性です。
アルカリ性の食品はあまりなく、海藻などがアルカリ性です。また、こんにゃくもアルカリ性ですが、pHはおよそ12で、強いアルカリ性の食品です。おそらく人が食用にしているもので、一番強いアルカリなのでは。
pH調整剤とは
つぎに、pH調整剤について。ph調整剤とは、文字通りpHを調整する添加物です。
なぜpHを調整するのかというと、細菌やカビの繁殖を抑えたり、変色を防止したりするためです。
細菌やカビは、それぞれ種類によって、育ちやすい環境が違います。pH調整剤を添加することで、細菌やカビが増えにくい環境を作り、食品の保存性を高めることができます。
pH調整剤は、具体的な化学物質の名前ではなく、総称になっています。内訳はというと、35種類もの化合物が認められています。以下その一覧。
アジピン酸
クエン酸
クエン酸三ナトリウム
グルコノデルタラクトン
グルコン酸
グルコン酸カリウム
グルコン酸ナトリウム
コハク酸
コハク酸一ナトリウム
コハク酸二ナトリウム
酢酸ナトリウム
DL-酒石酸
L-酒石酸
DL-酒石酸水素カリウム
L-酒石酸水素カリウム
DL-酒石酸ナトリウム
L-酒石酸ナトリウム
炭酸カリウム(無水)
炭酸水素ナトリウム
炭酸ナトリウム
二酸化炭素
乳酸
乳酸カリウム
乳酸ナトリウム
氷酢酸
ピロリン酸二水素二ナトリウム
フマル酸
フマル酸一ナトリウム
DL-リンゴ酸
DL-リンゴ酸ナトリウム
リン酸
リン酸水素二カリウム
リン酸二水素カリウム
リン酸水素二ナトリウム
リン酸二水素ナトリウム
いかにもな化学名ですね。これをそのまま表示されても一般消費者には何なのかわかりません。なのでpH調整剤と一括して表示することが認められています。
pH調整剤の安全性は?
pH調整剤に限りませんが、食品添加物の安全性評価は動物実験で行われます。
動物より人間で安全性を評価したほうが、人に当てはめる際により確実な結果が得られますが、毒性の試験は倫理的な問題から人間では行えません。
なので、基本的に動物実験で求められます。
動物に一定期間繰り返し毒を投与(反復投与毒性試験)し、発がん性試験や繁殖試験なども行い安全性を評価します。
これらの試験から、実験動物に害がない量=最大無毒性量が求められます。
動物実験なので誤差もあるし、人種間の違いなどもありますから、無毒性量ぎりぎりが基準値だと不安があります。
なので、毒性を示さない量にさらに安全係数として1/100を乗じます。その値が一日摂取許容量となります。
さらに、食品添加物は複数の食品から摂取する可能性があります。
複数食品から添加物を摂取しても、一日摂取許容量が超えないように使用基準が設定されます。
pH調整剤についても、他の添加物と同様にこういった方式で安全性の評価がなされています。
保存料を使うと売れないのでよく使われる
pH調整剤はさまざまな加工食品に添加されています。変色防止などの用途もあると思いますが、保存性を高めるためによく使われています。
保存料は、メディアの活動により一般消費者のイメージが悪く、使うと売れ行きが落ちるようです。
なので、保存料と表示しなくても使えるpH調整剤を使用し、日持ちが良いようにしています。
保存料をあえて避けて、消費者がよくわからなさそうなpH調整剤を保存料かわりに使うというのは、やや不誠実にも見えますね。
pH調整剤を保存料として使うのは歪な形
保存料も動物実験により無毒性量や一日摂取許容量が求められ、安全な範囲で基準値が定められています。
しかし、保存料は危険だというメディアの活動や、消費者がそう信じてしまったがために保存性を高めるために保存料が使いづらくなってしまいました。
保存料を使わなければいいかというと、そういうわけではなく、加工食品で食中毒を出すなんてもってのほかです。
消費者からしても、いくら保存料を使っていないからといって、食中毒になるのは嫌でしょう。
結果、保存料を使わずに保存性を高めるために、pH調整剤やグリシンなど、他の添加物を保存性を高める目的で用いているのです。
保存性を高める目的としては、保存料のほうが効果が高く、少ない量で効果を発揮することができます。
pH調整剤等は、本来の用途からはずれているため、たくさん量を使わなければ保存性を高めることができません。
それで危険とは言いませんが、相対的にみれば、保存料を適切に用いたほうが人が摂取する添加物の量は少なくてすみます。
保存料を使いたくないがために、pH調整剤を保存料として用いるのは、歪な形だなあと感じます。
まとめ
pH調整剤は、文字通りpHを調整する添加物です。
食品の変色を防止したり、微生物が増殖しにくいpHにすることで保存性を高めたりします。
pH調整剤は動物実験により安全性が確認されています。
しかし、本来の用途を考えると、保存料がその役割をもっていたはず。保存性を高める目的でpH調整剤が使われるのは、ちょっと違和感がありますね。
記事をお読み頂き、ありがとうございました。
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