こんにちは!今日の更新は、ヒスタミン食中毒についてです。
食中毒といえば、冬の時期にノロウイルスが流行るのが風物詩で有名です。
ヒスタミン食中毒とは、あまり聞き覚えがない食中毒かもしれません。
しかし、気づいていないだけで身近に例が存在しているかも。
ということで解説していきます。
ヒスタミン食中毒とは?
ヒスタミン食中毒とは、鮮度の悪い魚に蓄積された、ヒスタミンによる食中毒です。
魚はヒスチジンというアミノ酸を含んでいますが、細菌の働きによりヒスタミンという成分に変わります。
ヒスタミンはアレルギーに関与する成分です。
人間のアレルギー反応でも、アレルギーの食品を食べた後、ヒスタミンが放出されて、じんましん等のアレルギー症状が発生します。
食品から摂取した場合も同様で、ヒスタミン食中毒では顔が紅潮したり、じんましんが出たり、まさにアレルギーの症状を引き起こします。
このように、食物アレルギーと同一の症状のため、魚ではたびたび、「鯖アレルギー」だとか「青魚アレルギー」といった申告があります。
抗体検査をしないとわかりませんが、おそらくアレルギー疑惑の方の中には、上記のヒスタミン中毒をアレルギーと勘違いしている方がいると考えられます。
ヒタスミンは味も匂いもしない
もうひとつ、アレルギーと勘違いしやすい要因として、鮮度が落ちてヒスタミンが増えていても、味もにおいも変わらない、という点が挙げられます。
露骨に腐敗臭がしていれば、食べたほうも「食中毒かも・・・」と考えるかもしれませんが、ヒスタミンが増えていても、味やにおいは変わりません。
また、加熱にも安定で、鮮度の悪い魚は調理してもヒスタミンが残存します。
さらには、0℃~10℃の冷蔵の温度帯でもヒスタミンが増える事があります。(冷凍では増えません)
つまり、ヒスタミンが増えていても味や匂いで気がつく事ができず、さらに細菌性のものと違って、加熱しても発生する食中毒であるため、食べた本人が食中毒であると認識できないのです。
唯一変化がある点として、ヒスタミンが高濃度になっていると、舌に触れた時に「ピリピリ」とした刺激を感じるそうです。
ただそうは言われても、香辛料や調味料で多少の刺激があるかもしれないし、判別は困難だと思われます。
防止するためには
昔はともかく、今は食品の加工や流通技術があがっていて、スーパーに並んでいる時点ではそれなりに鮮度は保たれていると考えられます。
つまり、その後適切に管理していれば、ヒスタミン食中毒は発生しにくくなります。
ヒスタミンが増えるのは細菌の活動によるものです。
生ぬるい温度帯では細菌の活動が活発になるので、魚の購入後は常温におく時間をなるべく減らし、速やかに冷蔵庫に保管しましょう。
うっかり夏場に常温で放置した場合等は、潔く捨てるべきかもしれません。加熱をしてもヒスタミンは分解されません。
また、ヒスタミンの産生菌はエラや消化管に多く存在するため、内蔵等は早めに処理すると良いでしょう。
まとめ
ヒスタミン食中毒は、身近な食品である魚にまつわる食中毒です。
しかし、味や匂いで判別できず、アレルギーと同じ症状を引き起こすので、アレルギーとも勘違いされがちです。
予防するには、とにかく魚の鮮度管理です。
常温におく時間を可能な限り短くし、速やかに食べるようにしましょう。
参考文献
ヒスタミンによる食中毒について 厚生労働省
魚を食べたら、じんましんが・・・ ~ヒスタミンによる食中毒 東京都福祉保健局 食品衛生の窓
ヒスタミン食中毒 消費者庁
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