こんにちは!今日の更新は、鯖アレルギーはアレルギーでないのかも?というテーマです。
私は老健勤めの管理栄養士なので高齢者の方々を診ていますが、「鯖アレルギー」や「青魚アレルギー」という方をよく目にします。
話を聞いてみると、「若い頃に鯖でじんましんが出て、それ以降食べていない」「最近青魚でじんましんが出たのでアレルギーかもしれない」などと話を聞きます。
鯖や青魚は、アレルギー疑惑がとても多く、入退所で人が入れ替わっていても、常に数人はいらっしゃいます。
なぜ鯖や青魚はアレルギーが多いのでしょうか。
アレルギーと勘違いしやすいヒスタミン食中毒
鯖や青魚は、ヒスチジンというアミノ酸を含んでいます。このヒスチジンは、細菌の働きによりヒスタミンという成分に変わります。
ヒスタミンはアレルギーに関与する成分です。人間のアレルギーの反応でも、ヒスタミンが体の中で放出されて、じんましん等のアレルギー症状が発生します。
食事からヒスタミンを多く摂取した場合も同様で、じんましん等のアレルギー症状を引き起こします。
なので、鯖や青魚でじんましんが出たというのは、アレルギーというわけではなく、ヒスタミン食中毒の可能性があるのです。
実はアレルギーではないかもしれない
特に高齢者は、「昔鯖でじんましんが出た」という方が多くいらっしゃいます。
これは個人的な想像ですが、昔は食品加工技術が未熟で、魚の切り身や魚の加工品等、鮮度が落ちた状態で食卓にあがっていたのだと思います。
魚のヒスタミンは、細菌の働きで増えていきます。
常温に置かれている時間が長かったり、冷凍しても輸送中に温度が上がったりすると、増えてしまいます。
昔は今よりも流通時の品質保持技術も未熟だったため、鮮度が落ちいてもおかしくありません。
現代よりも昔のほうが、鯖や青魚でヒスタミン食中毒が発生しやすかったのだと思われます。
食べなくても問題ない
ということで、試してみれば意外と症状なく食べられるのかもしれません。
とはいえ、鯖や青魚はあえて食べなくても問題無いし、長年避けていた食品だと食の進みも悪い事があるので、私の施設でも一応代替食で提供しています。
"鯖が大好きだったのに一回じんましんが出てから食べていない・・・、なんとか食べられないだろうか。"そういった悩みであれば、食べてみるのを検討しても良いかもしれません。
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