先日ネットで、気になるニュースを見かけました。
それがこちら。お茶で新型コロナを無害化するというお話です。
お茶とウイルスの話は皆さん大好きみたいで、度々出ますね。
インフルエンザウイルスが紅茶で失活するというのが有名ですが、今回は新型コロナバージョンです。
お茶で新型コロナは無害化される
お茶で新型コロナが無害化する?「オイオイ、ほんとかよ」と思いますが、ニュースになった研究の通り事実です。
奈良県立医科大学の研究です。試験管内でウイルスが1分間お茶に触れることで、最大99%が感染力を失ったとあります。
最も効果が高かったのは紅茶だったとのこと。
もともとカテキンには抗ウイルス作用がある事はわかっており、これを利用して紅茶や緑茶等のマーケティングに活用されてきました。
無害化≠感染予防
さて、絶対に勘違いしてはいけない事があります。
それは、「新型コロナを無害化できる=感染予防できる」では断じて無いということです。
いつぞやに大阪府知事がイソジンの件でボコボコに叩かれていましたが、近い話です。
イソジンで感染予防の話は、「イソジンで唾液中のウイルスが減る」という事実を感染予防に発展させてしまい、叩かれてしまいました。
新型コロナ自体は、ノロウイルスのように何をしても死なないような強靭なウイルス、というわけではありません。
石鹸で普通に失活するし、アルコールも効くし、熱も効きます。塩素も効きます。
でも、世界ではこれだけの広がりを見せています。つまり、ウイルスを殺せるのと、感染予防に効果があるのは全く別次元の話なのです。
大体、紅茶に新型コロナの感染予防効果があるなら、紅茶の飲用習慣があるイギリスでは多少なりとも感染者の増加が抑制されていても良いはずです。
しかし、一日あたり15,000人ほどの感染者(執筆日時点)を出しており、日本とは比べ物にならないぐらいの高い水準です。
基礎研究は基礎研究として取り扱うべし
今回のような研究を基礎研究と呼びます。基礎研究とは、理論の解明、知的資産の蓄積が目的となっています。
基礎研究を集約し、どう活用していくか?というのが応用研究です。
今回はお茶で新型コロナが無害化されるという基礎研究が公表されました。
次は、これを人類に役立てる方法はあるのだろうか?と考える応用研究が必要で、その成果が出ない限りは人類に役立つかどうかはよくわからないのです。
こういった基礎研究を、メディアが勝手に発展させ、あたかも人に効果があるように誇張するのが問題です。
フェイクニュースの一種ともいえます。一見しっかり研究がされているように見えるので、悪質です。
活用を考える
さて、この基礎研究の応用を考えてみます。
お茶で新型コロナが失活するならば、食事中等にお茶を飲んでいれば、多少なりとも感染率が下がるのでしょうか。
実践しても特にデメリットは無いので、水やジュースを飲むぐらいなら、お茶を選択しても良いでしょうね。意味があるかは誰にもわかりません。
他には、アルコールの需要が高まっているので、高濃度のカテキンを配合したスプレーで、除菌スプレーが作れないのかどうか、気になります。
今でもカテキン配合スプレーはありますが、アルコールに配合されているものが多い印象です。
アルコールは需要が高いので、アルコールなしのカテキン除菌スプレーが作れたら面白いんじゃないかなあと思います。
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