こんにちは!今日の更新は、カルボナーラで下痢をする?という話です。
先日昼食に自宅で作ったカルボナーラを美味しく食べました。
しかし夜間、激しい下痢・腹痛、軽い吐き気が・・・。
食中毒か?とも思うような症状で、起こり得るとすればサルモネラ食中毒が考えられますが、自らの調理手順を考えるとリスクは低そうです。
ということは、牛乳が原因…?ということで、カルボナーラで下痢をする仕組みについて考えてみました。
カルボナーラで下痢をしたのは食中毒?
まず腹痛や下痢で真っ先に考えるのが食中毒です。
カルボナーラはパスタ、牛乳、卵、パルメザンチーズ、ベーコン、オリーブオイルを用いて調理しました。
この中で最も食中毒の可能性がありそうなのは、卵のサルモネラ菌です。
早ければ12時間ぐらいの発症なので、それなりに近い時間帯で下痢を起こしています。
しかし、自分が管理栄養士ということもあり、サルモネラ食中毒の発生機序はよく知っており、食中毒に至らないように調理を行っています。
サルモネラ菌は基本的には卵殻に付着しており、割卵時に卵液に入り込む事があります。
その場合、割卵した卵液を放置することでサルモネラ菌が増殖、食中毒に至ります。
サルモネラ菌は熱に弱いので、よく加熱を行えば死滅します。
当日の調理では、割卵後すぐに調理を行っており、サルモネラ菌が増殖していた可能性は低いと考えられます。
また、意図していませんが調理に失敗(火を通しすぎた)ため、増殖していても死滅していた可能性が高そうです。
何より、カルボナーラでの下痢は再現性があります。食べると症状の差はありますが、だいたい下痢をしたり、お腹が痛くなったりします。
私はカルボナーラが好きで、カルボナーラのために1kgのパルミジャーノ・レッジャーノを購入するぐらいには自分で作って食べています。100回以上は作って食べています。
その回数、食中毒が発生しているとは考えづらいため、違う原因があると考えられます。
カルボナーラで下痢をするのは乳糖不耐症が原因
では何が原因か?というと、恐らく乳糖不耐症が原因です。
乳糖不耐症とは、牛乳に含まれる糖質の「乳糖」が分解できない病気です。
乳糖はラクトースとも言いますが、分解は小腸でラクターゼという乳糖専門の分解酵素が作用して分解します。
このラクターゼは、赤ちゃん(母乳にも乳糖が含まれるため)では活性が高く、成長につれて活性が下がっていきます。
子供の頃は毎日牛乳を飲んでいたのに、大人になってからは牛乳を飲むとお腹が痛くなる、というような方は、まさにこういったパターンです。
乳糖は分解できずに大腸へ到達すると、浸透圧の関係から水分を多く引き込み、下痢を引き起こします。
それだけでなく、腸内細菌が乳糖を分解しガスを生成し、腹部の膨満感や、腹痛まで引き起こし、とにかくひどい目に合います。
日本人では乳糖不耐症の方は多いのですが、病気自体はあまり有名ではありません。
海外ではよく知られていて、ラクターゼのサプリメントが売られています。
ラクターゼのサプリメントは、日本でも発売されるべきだとずっと思っています。需要も高いはずなんですけどね。
ちょっと話がそれましたが、カルボナーラにも牛乳を使用するため、乳糖不耐症によってお腹が痛くなっている可能性が充分にあります。
アカディで同条件を検証
さて、カルボナーラで下痢をするのは乳糖不耐症が原因だと仮定すると、乳糖を含まなければ下痢をしないはずだ、と考えられます。
ということで、自分の体で検証してみました。
乳糖不耐症の方向けに、雪印から「アカディ」という製品が発売されています。
これは、牛乳に含まれる乳糖をあらかじめ分解しておいた製品です。
これを使用してカルボナーラを作り、下痢しなければやはり乳糖が原因だったと判断することができます。
ということでさっそく・・・、
当日調理して食べたカルボナーラです。これは写真用で、実際にはもっと盛ってますが。
そして腹痛は…、なし!
予想通り、腹痛に悩まされる事なくその日を終えることができました。
なぜカルボナーラで下痢をするのか
アカディで下痢にならないのだから、乳糖が原因だとは思いますが、カルボナーラは普通の牛乳に比べても症状が酷い気がします。
考えられる原因としては、カルボナーラはチーズやオリーブオイル、生クリーム等の脂質が多く、またパスタと合わせて食べる事で、乳糖が消化が受けにくい状態で小腸を通過しているのかもしれません。
牛乳なら大丈夫なのにカルボナーラだと下痢をするという方は、そういった機序だと思われます。
また、腹痛の発生時間にも特徴があって、牛乳単体だと症状の発生は2時間程度で腹痛や下痢が発生します。
しかしカルボナーラとして食べると発生までおよそ9時間程度かかりました。
食べたものが便として出てくるまで、便秘の具合などにもよりますが順調であれば12時間もあれば出てきます。
つまり、パスタとして食べた後、胃、十二指腸、小腸をゆっくり通過しますが、乳糖は分解しきれず大腸まで到達し、下痢や腹痛を起こしているものと考えられます。
カルボナーラで下痢にならない対策法は?
自分で調理をする場合は、上記のようにアカディを用いたり、牛乳や生クリームの割合を少なくすることで、下痢になりにくくなると思います。
しかし、外出先で食べる場合はそうもいかないでしょう。
外出先でカルボナーラを食べる場合は、とにかく消化に良いように食べるのが良いでしょう。
とにかくよく噛んで食べる事が一番大事です。カルボナーラに挑戦するときは、食事時間を長めにとるべきです。
単純に量を摂らないというのも大事です。例えば大盛りが選べるお店なら、カルボナーラを食べる時は大盛りを我慢します。
また、腸内をゆっくり通過してもらうためにも、サラダ等を合わせて食べると良いかもしれません。
その際、オイルやチーズがたっぷりかかったサラダだと、かえって消化に悪く悪化するかもしれないのでノンオイルなヘルシーサラダが良いでしょう。
食後は激しい運動を行うと消化機能が落ちるので、ゆったり過ごすようにしましょう。
と、ここまで書きましたが、どれぐらい効果があるかは不明です。
料理に使った牛乳や生クリームの量にもよるし、個人の乳糖分解能力にもよります。
まとめ
カルボナーラで特に下痢をするという方は、恐らく乳糖不耐症が原因だと思います。
自分で調理をする場合は、乳糖を分解した製品(アカディ)を使用したり、牛乳や生クリームを少なくすることで下痢しにくくなるかもしれません。
また、普通にカルボナーラを食べる場合は、消化に良いよう意識して食べるといくらかマシになるかもしれません。
記事をお読み頂き、ありがとうございました。
最後にちょっとした広告を。
自分で使ってみて、便利だと感じた調理器具を紹介いたします。ご家庭に合うものがあれば、ぜひお試しください。
シリコン調理スプーン
山崎実業のシリコン調理スプーンは、すくう・炒める・計るの3機能がまとまった調理スプーンです。
特徴的なのは5ccと15ccの計量線が入っており、醤油や酒など計りながら調理作業が行なえます。調理作業に無駄がなくなり、一度使うと普通のヘラには戻れない快適さです。
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ぜひ家のヘラや調理スプーンと交換してみてください。
ゆで卵電気スチーマー
時間管理が面倒なゆで卵や半熟卵が安定して簡単に作れるようになります。ゆで卵や半熟卵をよく作る方に特にオススメしたいです。
コンロを使わないのがすごく良いです。卵以外にも蒸し野菜や肉まん等に使えます。
シリコンスチーマー
野菜や肉、魚を入れて電子レンジでチンすると、簡単に蒸し物になります。
シリコンなので洗いやすく、折りたたんで収納できるため場所も取りません。
ぶんぶんチョッパー(手動フードプロセッサー)
糸を引く事で食材をみじん切りにすることができる手動フードプロセッサーです。
電動に比べ、コンセントを必要としない点と、価格が安い点が優れています。
コンセントを必要としないので、キッチンのコンセントまわりがいっぱいでも自由に設置できます。
みじん切りの頻度が少ないけどたまにフードプロセッサーを使いたい、という場合にオススメです。
取ってが取れるフライパン
今まで我が家では普通のフライパンでしたが、取ってがとれるタイプのフライパンに変えてみたら便利さにビックリ。
重ねて入れられるため収納スペースをとりません。また、冷蔵庫に調理したものをそのまま入れて保存するのに場所をとらないので、とても良いです。
とても参考になりました。乳アレルギーも持っているので、今でも乳製品を食べるのにドキドキしています。昼食をレストランで食べて、カルボナーラが生クリームを使用している事をキレイさっぱり忘れていたのでテーマ通りになり、、最悪になりました。とても心強い内容と安心感を貰った気がします。このサイトに出会えた事を感謝します。有り難うございました。
返信削除コメントありがとうございます!
削除この記事では牛乳の糖質である乳糖を原因とした下痢について記載しています。
乳アレルギーの場合は、原因物質は乳糖ではなく乳たんぱく質となり、記事に記載のあるアカディ等の対応法が不適の場合がございますので、ご留意頂ければと思います。