こんにちは!今日の更新は、中華麺に入っている「かんすい」という食品添加物についてです。
最近重曹について色々記事を書いているのですが、ついでに「かんすい」についても書いておこうと思いました。
一般家庭の料理ではまず使わない添加物であるため、「かんすい」ってなんだと思う方もいるでしょう。
実は、中華麺には必ず入っている添加物です。どんなものか、見ていきましょう。
かんすいとは?
かんすいとは、アルカリ塩水溶液で、主に中華麺に使用される食品添加物です。
日本では主に、カリウムやナトリウムの炭酸塩から作られています。
この「かんすい」は、中華麺の製造に必須となっています。
生めん類の公正競争規約の中に定められており、中華めんの定義として、以下のように書かれています。
この規約で「中華めん」とは、小麦粉にかんすい(唐あくを含む。)を加えて練り合わせた後製めんしたもの又は製めんした後加工したものをいう。
中華麺とは、小麦粉にかんすいを入れて練り合わせたもの、というように定義づけされています。
つまり、「無添加ブームだから、無かんすいの中華麺作ろう」といって、無かんすいで中華麺に近い麺が完成しても、中華麺としては売れないのです。その場合は、「うどん」と表記する事になります。
いや、売れないというのは語弊があるかもしれません。製麺業界で定めた、公正競争規約の表記からはずれた表記になります。
公正競争規約なんて知らねーと言って売ることはできますね。ただし、景品表示法に抵触するリスクがあります。
細々と売っているだけなら大丈夫かもしれませんが、
"世の中の中華麺に入っている「かんすい」は体に悪影響を及ぼす危険な添加物!当店の「無かんすい中華麺」なら安心安全!"
みたいに過激な広告で売り出していたら、問題になるかもしれません。
なぜかんすいを入れるのか
とはいえ、よくわからない食品添加物は嫌われる傾向にありますから、入れなくて良いのなら、そのほうが良いはずです。
なぜ中華麺には、必ずかんすいを入れるのでしょうか?
皆さんご存知の通り、中華麺は小麦粉から作る麺です。
同じく、うどんも小麦粉から作る麺です。
では、細く切ったうどんは、中華麺と呼べるでしょうか?
ぜんぜん違いますね。このうどんと中華麺の差は、「かんすい」という添加物によって生み出されています。
「かんすい」はアルカリ性です。それを小麦粉に添加するとアルカリ性の麺になります。
すると小麦粉のたんぱく質、グルテンに作用し、中華麺特有のぷりぷりとしたような食感になります。
さらに、カルコンという黄色い成分ができ、中華麺独特の黄色い色になります。ただ、原材料の小麦粉によっては発色が足りない事があるので、そういうときは、クチナシ色素等を足しています。
また、グルテンに含まれるグルタミンはアルカリ性になると、少量のアンモニアとして揮発します。
これが中華麺特有の香りとなります。アンモニアは高濃度だと強烈な臭気ですが、低濃度だと不思議と悪くない香りに感じられます。
ラーメンブログなんかでたまに、「麺がアンモニアみたいな臭いがした」みたいなレビューがありますが、それはまさにアンモニアの臭いです。
かんすいの入れ具合等によっては、強く感じられて臭いときがあるのかもしれません。
このように、中華麺としての特徴は全て、かんすいを入れアルカリ性になって起こる化学反応によるものです。
小麦粉を練って細く切っても、それは中華麺ではなくうどんなのです。
健康への影響は?
近年は無添加の商品がよく売り出されるようになり、「添加物」=悪いものというような共通認識ができつつあります。
かんすいは上記の通り、アルカリ性の添加物で、なんとなく怖いイメージもあるかもしれません。
しかし実際には、かんすいは麺を茹でている際に茹で水に溶出し、体に入る分はほとんどありません。
残存しているかんすいも、体に影響を与えない範囲です。
中華麺は日本や外国でも広く食べられており、それらにはかんすいが含まれますが、それで問題になったような事はありません。それが何よりの証明ですね。
ただし、昔は食品用の炭酸カリウムや炭酸ナトリウムではなく、工業用の苛性ソーダ等体に悪影響を及ぼすような、粗悪なかんすいが存在したようです。
そういったものはもちろん体への悪影響も考えられますが、現代では食品添加物の制度が厳しくなっており、そのような事はまず無いでしょう。
かんすいに関していえば、そういった過去があったため、日本食品添加物協会が「かんすい確認証」というものを発行しており、それが無いとかんすいとして販売できないようになっています。
ラーメンは体に悪い
かんすい自体は、中華麺に含まれている分を摂取しても体に影響ありませんが、ラーメン自体はどちらかというと体には優しくない食事です。
スープは非常に塩分が多く、メニューによりますが、油も多いです。
たまにならともかく、毎日食べるような食生活は避けたほうが良いでしょう。
また、とんこつラーメンや背脂を使ったようなラーメンは非常に脂質が多いのですが、脂質は消化に悪いので下痢をすることがあります。
この下痢症状について、中華麺に使われるかんすいが原因では?という話があるようです。
ラーメンを食べて下痢になるのは、かんすいではなく、単に脂質が原因だと考えられます。
また、ラーメンに限りませんが麺類というのは、驚くほど皆さん噛まずに食べています。噛まずに次々と飲み込んでいるので、結果として消化に悪い状態で腸に届き、下痢が促進されるというのもあるでしょう。
もし、かんすいが原因では?と思う方がいれば、市販の中華麺を購入し茹で、最低限の味付けのみで食べて見て下さい。
これで下痢をするなら、かんすいが原因というのも考える余地があるかもしれません。
まとめ
「かんすい」とは、中華麺特有の食感や色、香りを出す添加物です。
中華麺には必ず入っており、食べられている歴史も長く、安全性は高いといえるでしょう。
一方、ラーメン自体は健康にあまり良い食事ではありません。
あまり頻回に食べるのは避け、頻回に食べる際にはスープは飲まないようにする等、工夫したほうが良いと思います。
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