こんにちは!今日の更新は、新型コロナの今後についてです。
新型コロナが世間を賑わせてから、そろそろ1年です。
一向に収まらないどころが、日本では1月時点で感染が大幅に増え、緊急事態宣言を出すような事態になっています。
最初はコロナ禍の食生活について記事を書いていたのですが、新型コロナの今後の展望について書いていたら、それだけでかなりのボリュームになってしまったので、単体の記事にしました。
感染症は専門外なので、話半分ぐらいに見て頂ければと思います。
新型コロナの根絶は可能なのか?
新型コロナと人類は、どれほどの期間付き合っていかないといけないのでしょう?
今までの人類とウイルスの戦いの歴史において、ウイルスを根絶できたのはわずか一種類、天然痘だけです。
ワクチンができればウイルスを克服できるのか?と思いきやそうでもないようです。
ワクチンの接種により、日本では流行がないものでも、外国で流行しているものがあります。
例えばポリオウイルスは、パキスタンやナイジェリアでは流行があります。
ポリオワクチンは日本では予防接種に含まれているため、パキスタンやナイジェリアからウイルスが持ち込まれても、簡単には流行しません。
しかし、ワクチンによる予防接種が習慣づいていなければ、再流行する可能性は十分にあるわけです。
ウイルスの根絶は、世界中で足並みを揃えて可能になる偉業です。
新型コロナウイルスはまだ始まったばかりの感染症です。根絶される日は遠い未来か、もしくはされないかもしれません。
流行の制御は可能か?
流行の制御を行うためには、実効再生産数(一人の感染者が次に何人ぐらい移すか)が1を切る事が重要です。
実効再生産数が例えば2なら、1人の感染者が2人に移し、次にその2人は4人に移し…、とネズミ講式に感染者が増えていきます。
東洋経済のページで、日本の新型コロナウイルスの実効再生産数を計算しているページがあります。
こちらによると、1月の緊急事態宣言前で1.5ぐらいの数値だったとのこと。
緊急事態宣言前でも、飲み会を自粛している方は多かったでしょうし、みんなしっかりマスクをして、手洗いをして、密はなるべく避けて、これぐらいの数値なわけです。
昔のように、年末年始は忘年会と新年会をして、マスクをつけるのは花粉が飛んでいる時期ぐらいで、旅行にいったりイベントに参加したりという日常に戻れば、実効再生産数は1.5の数値よりも高くなるでしょう。
現状の自粛生活はずっと続くし、自粛疲れにより対策がおろそかになると、途端に感染爆発し1月の緊急事態宣言のような事態になる…、という繰り返しです。
これがずっと続くとなると、しんどいですね。新しい生活様式というやつでしょうか。
ワクチンで流行の制御は可能か?
ところで、人類の有力な戦力として、ワクチン開発があります。
2021年1月の執筆時点で、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカの三種のワクチンの接種が開始されています。
病原体の発見からわずか1年で三種のワクチンが実用化されたというのは、もはやそれ自体が偉業と言えます。
今までのワクチン開発は、ゼロからスタートすれば普通は10年はかかると言われていました。
例えばエボラウイルスを例にすると、発見が1976年、動物実験レベルでワクチン開発が開始されたのが2005年、ヒトでの治験開始が2014年、2019年にやっと効果が実証されました。
新型コロナウイルスは2020年1月頃に話題になり、2021年1月には三社のワクチンが接種されているわけですから、驚異的なスピードと言わざるを得ません。
一方、それだけの超スピードで開発されたとなると、安全性が疑問視されてくるわけです。
しかし、2021年1月現在では、接種部位の腫れや痛み、発熱等の副反応はありますが、重篤な有害事象は、アナフィラキシー以外にありません。
アナフィラキシーは放っておくと死ぬ可能性がありますが、投薬等適切な処置が行われれば命まで落とすことはほとんどありません。
アナフィラキシーは接種後速やかに症状が発生するので、ワクチン接種後、数十分の観察期間が設けられています。
有害事象が全くないわけではないですが、アナフィラキシーはインフルエンザワクチンでも発生するような、ワクチンとしては一般的な有害事象の一つです。
これだけで済むならばワクチンとしては十分優秀であると言えます。
なぜこんなに開発が早いのか
1年足らずで開発されたワクチンで、有効性もあり、まだ短期間の観察ですが特別な有害事象も無い…、凄いとしか言いようがありません。
ただ、実は完全にゼロからスタートしたというわけでもありません。
コロナウイルスの感染症で、SARSやMARSといった単語を覚えているでしょうか。
SARSは2002年に、MARSは2012年に話題になりました。
これらも同じコロナウイルスで、これらの時から基礎研究は始まっていたのです。
また、ファイザー社やモデルナ社のワクチンは、今までのワクチンと仕組みからして違います。mRNAワクチンと言われます。
専門ではないので深くは解説できませんが、ざっくり解説します。
ヒトの体はたんぱく質でできています。このタンパク質は、遺伝子(DNA)から必要な部分を読み取って、タンパク質を合成しています。
DNAは遺伝子の保存形態なのでそのまま使うのではなく、メッセンジャーRNA(mRNA)に転写します。
このmRNAの情報を、リボソームが読み取り、転移RNA(tRNA)の働きが組み合わさって、目的のタンパク質が出来上がっていきます。
つまり、このmRNAを注射すれば、自分の体でなんでもたんぱく質が作れるじゃん!ということになります。
この原理を利用したのがmRNAワクチンです。
病原体のタンパク質を人工合成するのは簡単なことではありませんが、遺伝子工学の進歩によりmRNAを作るのは容易になりました。
ウイルスの特徴的な部分(新型コロナではスパイクタンパク質)の設計図(mRNA)を注射して、体のリボソームに作ってもらって、それに免疫が反応すれば免疫力を得られる、という仕組みです。
新型コロナ以外にも応用ができそうな技術で、ウイルスの遺伝子の解析を行い、mRNAを作れればさまざまなウイルスに対抗できます。まさしく新技術です。
このように、今までのワクチンとは製法からして違うため、素早く開発できたのです。
さらに、残念ながら新型コロナウイルスは全世界に大きく広まってしまいました。
経済や人の移動に深刻な影響を与え、地球という惑星単位で、新型コロナへの対策が目標となりました。
問題が大きくなったことで研究費も得やすくなった、というのも開発が飛躍的に進んだ要因でしょう。
日本人がワクチンを打つか
さて、偉業とも呼べるワクチンが出来上がったわけですが、打たなければ意味がありません。
実際にみんながワクチン接種をするにはまだまだハードルがたくさんあります。
mRNAワクチンは、製法の違いからか極低温で保管しなければなりません。
ファイザー社のワクチンでは長期保管にはマイナス70℃の温度管理が必要で、そこらの診療所では保管できそうにありません。
輸送手段、保管管理、接種場所の検討等、実際に国民が接種するには大きなハードルがあります。
また、単純にたくさんの人に打つには時間がかかります。
インフルエンザワクチンでは1ヶ月あたり800万~1000万ほど接種されていました。
しかしインフルエンザワクチンよりも管理が難しいことから、これだけの数を打つのは困難です。
仮に600万本ほど一ヶ月に打てたとして、2回接種が終わるまで、2年以上はかかりそうです。
日本政府が超頑張って、これらの課題をクリアしたとしても、ワクチン忌避の問題もあります。
今後たくさんの人がワクチンを打つにあたり、新しい有害事象が確認されるかもしれません。
極々まれの有害事象であっても、メディアやSNSでは大きく広まります。
それを見た人々は、「ワクチンは怖いもの」「コロナに感染するよりも酷い事になる」などといってワクチンを避ける社会反応が発生します。
実際に日本ではワクチン忌避は起きていて、HPVワクチンがそれにあたります。
新型コロナでもそういった社会反応が起きる事は予想され、日本政府が頑張ってワクチンを確保したのに、国民が打ってくれない=新型コロナ騒動も終わらないというシナリオもありそうです。
一切の有害事象がないワクチンがあればもちろん理想ですが、そんなものはありません。
確認された有害事象によるデメリットと、打つメリットを天秤にかけ、どちらか得かを考えて判断します。
新型コロナは死ぬ可能性がある感染症で、かつ誰もがかかる可能性があるわけで、冷静に考えればワクチンに多少の有害事象が確認されていても、打つメリットは十分にあるわけです。
ワクチンに関して国民が冷静に判断できるかどうかは、マスメディアの姿勢がとても重要なわけですが、マスメディアはセンセーショナルな見出しが好きな傾向にあるので、あまり期待できないように思えます。
新型コロナとは長い付き合いになりそう
歴史的なスピードで完成したワクチンがありますが、感染を抑えるレベルまでワクチン接種が進むのは、相当にハードルがあるように思えます。
人々がウイルスに対する免疫を獲得していかなければ、新型コロナの感染は終わらず、現在の自粛生活も終わることはないでしょう。
免疫を獲得するには、新型コロナにかかるか、ワクチンを打つかです。
ワクチンは完成し始めていますが、打つまでには時間がかかるし、ワクチン忌避の問題もあります。
また、全てがうまくいき、国民がワクチンを打っても、いつか免疫は失われます。
ワクチンの定期接種で免疫を維持できても、そのうち新型コロナを忘れて接種率が下がるかもしれません。
するとまた新型コロナが流行って…、というように、新型コロナとの付き合いはずっと続いていくんじゃないかと思います。
ワクチンに関して自分も打とうと思いますが、そう判断にするにあたって色々調べました。
以下、特に参考になったページをリンクしておくので、興味があったら読んでみて下さい。
参考記事
新型コロナワクチンまとめ(医療従事者向け)
効果は? 安全性は? 新型コロナワクチンについて知っておきたいこと Q&Aで医師が解説 忽那賢志
[翻訳] BioNTech/Pfizer の新型コロナワクチンを〈リバースエンジニアリング〉する
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