こんにちは!今日の更新は、新型コロナに納豆が効くってホント?というテーマです。
先日サプリメント等で販売されている、5-アミノレブリン酸(以下5-ALA)というアミノ酸が新型コロナ増殖を抑制するとニュースになりました。
赤ワインや納豆にも含まれる成分ということで、赤ワインや納豆でコロナ予防?みたいな怪しいワードがネット上に挙がっていました。
この手の話題はよく出ますが、どれも未確認の話です。早とちりしないようにしましょう。
食品で新型コロナを防ぐのは多分無理
上記に書いてある、5-ALAというアミノ酸で新型コロナの増殖を抑制するというのは、試験管レベルの話で確かに確認されました。
長崎大の研究で、長崎大の研究ページがこちら、論文の記述ページがこちらです。
しかしながら、原文を確認するとわかりますが、赤ワインや納豆で予防できるとは一言も書かれていません。
メディアが勝手に、赤ワインや納豆に多く含まれる成分だと書き足しているだけです。早とちりしないようにしましょう
5-ALAという成分が赤ワインや納豆に含まれるなら、感染予防の可能性もあるんじゃないの?と思われるかもしれません。
これについては、不明である、としか言いようがありません。
しかし、作用機序を考えても予防効果を示すのは相当難しいと思われます。
新型コロナと人間の免疫は、肺の細胞が主戦場です。対して、納豆や赤ワインは、食べた後食道を通じて胃に入るわけです。
行き先が全く違いますね。肺を赤ワインや納豆で満たすというなら話は別ですが。
胃に入った後は腸へ入って、その後門脈から肝臓を通って全身へ運ばれます。
これらのルートを通って、5-ALAが感染予防効果を発揮するのか?そもそも血流にのっていって、新型コロナとの主戦場までちゃんと届くのか?納豆や赤ワイン程度の量で、全身に拡散したあとも効果を発揮できる濃度を維持しているのか?
などなど問題点が山積みです。試験管内で新型コロナと直接触れさせるのとは、ワケが違うのがわかると思います。
個人的には、恐らくですが食品で新型コロナを防ぐのは無理だと思います。
コロナウイルス自体は付き合いの長いウイルスですが、今までもそんな食品はありませんでしたからね。
医薬品やサプリメントとしての活用は気になるところですが、それにしても経口薬としては上記の問題を抱えていて、実用化の道のりはまだまだ遠いと思います。
また、細胞毒性が低いなら吸入薬のような形を検討するべきなのかもしれません。いずれにしても、医薬品としての活用もまだ時間がかかると思われます。
基礎研究はあくまで基礎研究
メディアがよくやらかすウソで、基礎研究を応用研究のように誇張するということが連日おきています。
今回の長崎大の研究は基礎研究ですが、この結果を元に、「医薬品とか殺菌薬とかの活用に、研究をすすめる価値があるかも」という情報提供をしているだけです。
「人間に予防効果がある」なんて一言も言っていません。
お茶と新型コロナの研究でも述べましたが、試験管だとか細胞レベルでとか書いてあったら、基礎研究の話をしています。
人間に効くかどうか、というのはさらに発展した応用研究の話で、この実用化の部分が現実には難しいのです。
ですから、基礎研究の報道だけで効果があるように錯覚しないようにしましょう。
でも納豆は食べてもいいよ
「でも効果があったらラッキーじゃない?」と言われると、それはその通りです。
試してみたい場合は、実行にあたって、不利益があるかどうかで考えると良いでしょう。
「効果がないと決まったわけじゃないし納豆を食べてみよう」というのは大いにアリだと思います。
納豆自体が栄養豊富で、健康に良い食品だからです。
一方、赤ワインはアルコールなので、飲み方によっては害を及ぼすのでこちらはオススメできません。
効果がないかもしれないとしても、他の要素もあわせて健康に良さそうなら、別に試してみても良いと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿